遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

新生アメリカがうらやましい原始のままの日本

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昨日の国会中継予算委員会)を見ていて、この国はますますやばいことになってくると思った向きも多いだろう。

菅総理への質問が飛ぶたびに、菅後方に陣取る秘書官がゼンマイ仕掛けのからくり人形のようにぴょんと飛び出てくる。質問のテーマが変わればまた別の秘書官がぴょんと飛び出てくる。ぴょんと飛び出てきて、資料をスガに手渡して10秒ほどの短い時間で何事かを伝える。
ときどき「秘書官!いま総理と問答しているんだ、邪魔をするな」と質問している議員に叱られる。
そして、読み上げ個所を提示された資料を、スガは棒読みする。

いまコロナの第3波、それも想像を絶するような大きな波が押し寄せようとしているのに、棒読み内閣では何も対処できない。

思い返せば、東日本大震災の時に官房長官だった枝野幸男や、官房副長官だった福山哲郎が今日の予算委員会の質問に立っていた。

彼らが頑張ったから原発事故は何とかあの程度で済んだことを改めて実感した。いまの自民党政権のようなぼんくら政権だったら、東日本大震災原発事故は大変な事態になっていただろう。

あの時、枝野が寝る間も惜しんでスポークスマンに徹していた姿を見て「枝野寝ろ!」という彼の健康を気遣うハッシュタグが立った。それがいまなら「起きろスガ!」といったところだろうか。菅義偉のうつろな目を見ていると、何もかも心配になってくる。

ところで、上の画像の女性たちは、バイデン大統領が組織する新閣僚メンバーの候補者たちで、14のポストのトップに女性が就くと報じられている。

副大統領のカマラ・ハリスをはじめ、国務長官、国防長官、財務長官、司法長官などの重要ポストに女性が就くという。すごいポストが用意されていることに感心する。

14人の女性たちは、人種もキャリアも年齢も多様性に富んでいて、まことに素晴らしいことで、バイデン政権に賛辞を贈りたい。

日本は、8年も政権をつかさどる自民党の歴代の女性閣僚が浅ましい人間ばかりで、女だったら誰でもいいわけではない。そもそも、自民党の女性議員の絶対数が少ないのだから、無理やり幹部や閣僚に引き上げても、せいぜいハードディスクにドリルで穴をあけることくらいしかできない。白人男性崇拝トランプ政権でさえも、幹部に女性は少なからずいた。

日本の政治はいま、有史以来もっともマイナス成長期に入ってしまった感がある。安倍と菅の政権・政府は、静謐で美しい国民たちのおかげで平穏な時間を過ごせているのであって、世が世であれば暴動や一揆ゼネストやクーデターが起きても不思議ではない状況に置かれている。

ということで、「散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がする」時代からさらに1万年くらいさかのぼって、言葉の生まれる前の原始の日本にまで逆戻りしてしまった。

新しくなったアメリカがうらやましい。