上の写真は10年前のある将棋大会での藤井聡太クン。
昨日は夏用の紗の和服姿でのタイトル戦(棋聖戦)に臨んだ藤井七段だったが、和服を着ての対局はすでに子どものときにも経験済みなのであった。
この子ども大会の決勝戦で敗れた藤井君は、観客のいる公開対局だったにもかかわらず号泣した。
《2010年に名古屋市であった「テーブルマークこども大会」東海大会。低学年部門に出場した聡太は、決勝戦で敗れて号泣した。大きな見落としが敗因だった。》
この将棋大会で彼が泣きじゃくる動画は何度か見たことがあるが、藤井少年は相手が強くて負けた将棋ではなく、自らのミスで勝ちを逃がすと号泣するタイプだったそうだ。母親が将棋盤にしがみついて泣きじゃくる藤井君を、盤から引きはがしたこともあるそうだ。
今の藤井七段の強さは、いままでの涙の量で測れるのかもしれない。
負けるのが嫌なので努力して強くなる。負けるのが嫌なので、時間をかけて将棋盤に集中して最善手を探す。
彼がいついかなる場合でも動じない雰囲気でいるのは、単純に勝つことに集中しているからだと思う。天才なのは間違いないが、勝つための努力への一途さ一生懸命さに胸を打たれる。
昨日は、渡辺明棋聖との5番勝負の第2局目が行われた。コンピュータの予想にない手を指して、渡辺に「じゃあやっぱそうか、(そこに)銀入れられてきついんですね。いやあ、そうか、銀ね・・・。そうか、銀か・・・」と局後の感想戦で言わせた。
昨日のAbemaの視聴数は、380万回を超えた。エンターテイメントやスポーツとはちょっと違うし、ルールはオセロやボードゲームよりは複雑なのに、多くの人に見られていることに驚く。人数的には100~150万人くらいが見たのだろうか、私のような人たちが多くおられるのだろう。
棋聖戦では残り3局で1勝すればタイトルを奪取できる。「タイトル取れそう」と思った瞬間からガタガタと崩れることはよくあることなので、いつものように一心不乱・不撓不屈の精神で盤上に注力していただきたい。
また、月が替わって1日からは、豊橋で王位戦の口火が切られる。藤井君の体調のことが、親のように心配になるが、また愉しいことが始まる。