遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

第五十七回正倉院展

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昨日は、我が家の地鎮祭であった。ようやく、地鎮祭にまでこぎつけた。

神主さんの都合で、平日になったが、好天に恵まれ、暑くもなく、寒くもなく、良い式典ができた。


午前中まるまる時間があいたので、ちょうど開催中の「正倉院展」を観に、奈良まで足を運ぶ。


奈良の東大寺界隈の景観がとても好きで、殊に、お水取りで有名な二月堂や、正倉院あたりは、

私の「22世紀に残したい日本の風景」のベスト10に入るほどの、お気に入りである。


今回は、残念ながら時間がなくて、東大寺界隈へは行けなかった。

その代わり、奈良国立博物館での「正倉院展」を堪能してきた。


以前、この季節に奈良に行ったときに、

正倉院展」を観るために並んでいる人たちがつくる行列の長さに、

驚いたことがあった。


何が人をそんなに惹きつけるのか、この目でいつか確かめようと思っていたのだが、

チャンス到来となったわけである。

休日の人出を避けて、平日の朝一、開館時間に入館する。


出陳数は69点、多くない。

奈良遷都1300年の、歴史の重みがすごい。


聖武天皇が使っていた碁盤=さすがに帝が使うものは綺麗で高そう。

■動物から切り取った原形でほとんど加工していない、
      サイの角・トナカイの角・象牙=この時代になんという国際的な。

■古文書多数=1200年以上前の写経の素晴らしさ。
      紙と墨はすごいなぁ、1000年経っても任務まっとう。

螺鈿(らでん)細工の鏡=万華鏡を覗いたような素晴らしいデザイン
            画像の鏡で、平螺鈿八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)という

■飾り太刀=後期のそれのように反りのない、真っ直ぐのシャープなスマートなお洒落な刀
     


庶民の使った道具類ではないので、意匠が勝ったものでしかも頑強なものではあろうが、

紙・紫檀・黒檀・楠・麻・絹・墨・藍・貝・象牙金・銀・ガラス・石英

などが織りなす形・色合い・質感が見事な工芸品の極致を堪能した。


帰る頃には、入り口には長蛇の列が出来ていた。