2009年に世界各地の美術館で開かれた特別展の1日当たりの来場者数調査で、
日本の展示会が1位から4位を独占したことが分かった。
それによると、1位は東京国立博物館の「国宝 阿修羅展」で、
1日当たりの来場者数は1万5960人。
3位には同9473人で東京国立博物館の「皇室の名宝―日本美の華」、
この調査、特別展というところがミソで、
ルーヴルやオルセーやメトロポリタンなどの美術館は、
膨大なコレクションの「常設展」で世界中の人を呼び込んで魅了している。
一方、わが国では、スポンサーの新聞社や放送局が、
自らのメディアで大々的なキャンペーンを繰り広げ、
その「特別展」を見なければ乗り遅れてるのじゃないかという錯覚を与え続け、
暗示にかかった観客を動員し続けた結果が、世界上位を独占する結果となった。
とはいえ、特別展に本物を見たいとつめかけることはとても偉いことだと思う。
宝物の色落ち予防など、展示への障害はあるものの、 正倉院の宝物を常設できる展示場など、 すぐできそうなものだろうにと、いつも思うのである。
観光立国するのなら、国宝を常設する美術館をバンバン建ててほしい。
たとえば、正倉院のお宝をいつでも観ることができる美術館があれば、
素晴らしいのになと思う。
ところで、東京国立博物館で1日当たりの来場者数1万5960人の、
「国宝 阿修羅」は、興福寺の国宝館で常設されている。
この国宝館は先月リニューアルオープンされて、
素晴らしい常設展会場となっていて、いつでも楽しめることができる。
平城遷都1300年祭に花を添える、常設展会場でもある。