この事件は、新元号のお祝いムードに水を差すもので、右だ左だという思想以前の問題で、下劣な犯行である。
世の中が憎くて仕方がないような類の人間(ルサンチマン)が犯行に及んだのかもしれない。
犯人はヘルメットをかぶった工事業者を装って正々堂々と教室にまで入ってきたようだから、学校側の防犯意識に問題はあろう。アポなし同然の人間を簡単に学校内に入れるということは、犯人と共犯かもしれないと疑われても仕方のないほどずさんな防犯体制だ。
いずれにせよ、防犯カメラが犯人をとらえているようだから、警視庁は迅速に犯人を検挙してもらいたいものだ。
かつてはいわゆる左翼的な思想犯が、天皇制に異議を申し立てたり、戦争責任を問うて皇室を非難していた。平成以降の皇室の戦争被害者への慰霊の態度や社会弱者へのまなざしは、まさに憲法を順守した象徴天皇を中心とした国民に寄り添った皇室であるので、非難の矛先はかなり丸くなって穏やかになっているように思う。
むしろ、皇室が国の平和や民の幸せを願っていることに不服な一団が、平成の30年間に幅を利かしてきたと感じる。現政権の周辺にいる宗教的な色合いの濃い集団がそうだ。
今回の、親王の机にナイフ事件は、単なる不届きな愉快犯かもしれないし、右か左の「思想犯」かもしれないが、早く検挙されること願っている。