私の中学の修学旅行の行き先は、富士箱根・東京でした。1968年5月のことです。大阪の中学としてオーソドックスな行先だったと思います。
旅程の後半は東京観光で、富士箱根からずっと同じバスに乗っていて、都内の名所をそのバスで巡ったはずです(詳しくは憶えていません)。
バスが皇居のお堀を通りかかった時、バスガイドさんが「あっ、ナルちゃん!」と叫びました。
バスの窓からガイドさんが指さす左側のお堀端を見ると、すぐ横をナルちゃんが歩いていました。学習院の制服制帽にランドセル姿のナルちゃんと、偶然に出会うことができました。侍従が一人、2メートルほど後ろに従っていました。
あれから約56年、当時小学3年生だったナルちゃんこと浩宮徳仁親王は、きょう今上天皇として64歳の誕生日を迎えられました。
上の写真は、1966年11月とありますから、今上天皇の小学校1年当時のものです。
身に着けている制服は、父である上皇さまが初等科に通われていたときに着ていた「お下がり」だったようです。皇室予算は潤沢だったでしょうが、使えるものは使うという考え方は見習うべきものです。
入学式の時には、「130人もいる生徒の中で、お父さまのお古を着ている子どもはいないでしょうね」と、美智子さまは微笑んでいらしたといいます。
いま、上級国民(天皇は国民ではないけれど)の中で、もっとも国民に寄り添っているのは皇室ではないでしょうか。とりわけ天皇皇后両陛下と上皇上皇后両陛下の国民の幸福や国の安寧を願う強い思いは、彼らの態度や言葉から私たちに伝わってきます。
他の上級国民に陛下の思いが伝わっていないとしたら、悲しいことで、国の衰退と無関係ではないように思います。
今上天皇におかれてましは皇后雅子さまともども、いつまでもお元気でおられることをお祈りするとともに、末永く国民を見守っていただけるようお願いいたします。
本日はまことにおめでとうございます。