遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

進化する藤井聡太/祝公式戦通算100勝

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藤井聡太の将棋はすべてチェックしていたはずなのに、知らないうちに2連勝して公式戦通算100勝に達していました。

昨日は公式戦のテレビ棋戦の対局だったようで、2019年2月5日分と3月5日分の放送のための録画対局で勝利したようです。このテレビ対戦(囲碁・将棋チャンネル銀河戦」)の2番は、藤井が勝っていることは分かっていても見逃せない一戦になります。楽しみです。

100勝を史上最年少(羽生善治の記録を上回る)で史上最高勝率(中原誠の記録を上回る)で達成して、記者会見では相変わらず謙虚で前向きなコメント。

《「公式戦で通算100勝を達成することができ、これまでの一局一局の積み重ねが100勝というひとつの区切りに達したことを感慨深く思っている」今年1年を振り返っては「朝日杯と新人王戦という二つの棋戦で優勝という結果を残すことができて、自信になった。大きな出来事だったと思う。一方で王座戦竜王戦などでは残念ながら敗れてしまった。将棋を通して現状の課題を認識できたので、経験を生かしてまた来年につなげていければ」と話した。》

一手一手を最善手を目指して懸命に盤上で努力する姿は、本当に感動を覚えます。

ある20代の棋士(藤井との対戦成績は1勝0敗)が解説をしていて、藤井の守備固めに入った一手見て「そこまでのことをして勝ちたいですかね」というようなことをライブのネット放送で言ったことを覚えています。

その一局は藤井が勝利したのですが、解説した棋士の一言はプロとしてふさわしいのかなと私は思っていました。

「美しく勝てよ(美しい棋譜を残せよ)」と解説者は15歳の若きプロに言いたかったのでしょうが、絶対に負けたくない一手を打つことを心がけている棋士に失礼だったと思います。解説者は、藤井と一局の対局で一勝している棋士ですが、私は「あんたに負けたことが悔しくて彼はここまで大きくなってきたのだよ」と独り言を言っていました。

こんなに真剣にかつ謙虚に生きている人間がどこにいるでしょうか。その姿に人々は共感を覚えるのです。最年少だ、最高勝率だという前に、彼の一途さに心を打たれるのです。そういう意味では、100年に一人の天才だと思います。

ちなみに藤井聡太が選んだの今年の漢字一字は、「進」でした。進学、前進、邁進、進化した一年でしたね。

100勝おめでとう!健康に気を付けて精進してください。