遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

染め分け帽のダービー馬

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1番人気のドゥラメンテが優勝。第82回日本ダービー

日本ダービーは、3歳馬しか出られない生涯1回きりのレース。年間数千頭が誕生すると言われる競走馬の頂点を極めるこのレースは、18頭のエリート馬が出走する。

日本ダービーの1着賞金は2億円。
賞金の分配は、80%(1億6千万円)が馬主(馬の持ち主)、10%(2千万円)が調教師(馬を預かり調教している責任者)、5%(1千万円ずつ)が騎手と厩務員(馬の世話担当者)に渡る。

ドゥラメンテの馬主はサンデーレーシングクラブが募った共同馬主。
1口250万円を出資した40口を持つ共同馬主が存在する。つまり、1億円で馬主を募集した競走馬だったのだ。馬主は、馬のエサ代や管理費用も調教師に払う必要がある。ちなみにドゥラメンテは、皐月賞にも勝っていて、現時点で馬主1口当たりの分配賞金額は700万円見当。最高に幸運な馬主にでもならない限り、利益はほとんど出ない。名誉というか道楽のためのお金持ちが馬主になる、といったところか。私の知り合いで、かつて二頭の馬を持つ共同馬主がいたが、彼の所有馬は1円の利益ももたらさなかった。

画像は優勝したドゥラメンテのゴール直後のもの。サンデーレーシングクラブの騎手服(勝負服)は黒地に赤の十字襷、袖が黄の縦縞デザインである。帽子の色は出走「枠」の色で1枠から8枠まで、白、黒、赤、青、黄、緑、橙、桃の8色に分けられている。レースを見る際には、騎手の服と騎手の帽子の色で馬を特定できるようになっている。

画像の騎手の帽子は7枠の橙色の帽子。通常は帽子は1色なのだが、このドゥラメンテの帽子は橙と白のツートンカラーになっている。実は、同じ7枠にもう1頭サンデーレーシングの馬がいて、騎手服がまったく同じなので、帽子だけは「染め分け」て区別しているのである。(本レースにはサンデーレーシングの馬が実に5頭出走していた。)

ドゥラメンテの父は、キングカメハメハ(これまた日本ダービー馬)で、母はアドマイヤグルーヴ(父サンデーサイレンス、母エアグルーヴ)という申し分のない血統馬。父も母も日本の競馬場でファンを魅了した素晴らしい馬で、その子も今日新しいスーパースターとなった。

これで、クラシック2冠馬の誕生。秋の菊花賞で勝利すれば、史上8頭目の「3冠馬」誕生ということになる。

私は、史上2頭目3冠馬シンザン(1964年・昭和39年)から競馬を見続けていることになる。