折々のことば(朝日新聞)
戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。
「だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」と続く。元総理は新人議員たちにこう語ったと、実業家で元中国大使の丹羽宇一郎が近著『戦争の大問題』に記す。跨(また)ぎ越してはならない線がどこかを教えるのは、体験の重しである。丹羽の引いたこのことば、雑誌「通販生活」本年春号の表紙を飾ってもいる。(鷲田清一)
丹羽宇一郎の著書からの引用だが、この丹羽というお方も現政権へ手厳しい批判を続けている。
そして、田中派だった野中広務氏が亡くなられた。彼に影響を受けたことも好きだったこともないが、戦争に対する姿勢だけは支持したいと思う。その戦争に対する彼の姿勢を認めるかつての選挙区の政敵だった京都の共産党の関係者や志位委員長や立憲民主党の枝野幸男がツイッターで追悼している。
「戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」。
また戦争を知っている世代の一人が逝った。合掌