遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

数字が取れる「アッキード事件」

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2017年度予算案は衆院で与党の賛成多数でシャンシャンと可決され、年度内で成立の運びとなったようだ。

画像はテレビ朝日森友学園疑獄に関する調査結果。

内閣支持率は54.5%と、相変わらず高止まりだが、「森友学園問題」は「国会審議で真相究明が必要」と回答した人の割合は83%である。「その必要はない」とした7%を大きく上回っている。数兆円が消えてなくなったGPIFの株による年金運用の失敗でさえ世間では風が吹かなかったが、今回の8億円棒引きおまけ事件では世間は黙っていないようなのだ。

いま、最も視聴率を稼げる話題は「森友学園」で、学校法人(森友)と近畿財務局(財務省)と大阪航空局国交省)と大阪府(知事・教育長)と安倍首相夫妻がその当事者だから、原発問題の電力会社のようなスポンサー企業が絡んでいない。

スポンサーに遠慮や忖度しないで自由に番組作りや紙面・誌面作りが可能なわけで、目先の収益を上げるならこの問題を避けない方が賢明だろう。

現に、あの政治ノンポリのテレ東は夕方のニュースでこの問題を掘り下げているし、関西のテレビ局(朝日系列と毎日系列)なども、問題に関係する当事者に遠慮などしないで、堂々と現場や関係者周辺(学園工事の孫請け企業など)を取材し、ニュースを伝えている。

森友学園問題は、「アッキード事件」などと命名され、「維新ルート」「官僚ルート」「首相ルート」なる区分けもあって、核心を突いている切り分けである。

私たちより上の世代は、「ロッキード事件」「丸紅ルート」「全日空ルート」という言葉や「ハチの一刺し」というワイドショー的大騒ぎが記憶から離れない。

しかし今はインターネットの普及により、多くの納税者の不審や怒りが手に取るように感じる。それが、ロッキードとアッキードの二つの事件の大きな違いである。

予算が衆院を通った後、安倍は内閣記者クラブのキャップたちと赤坂の高級中華料理店・赤坂飯店でオフレコ懇談会を開いた。「またか飯食い作戦か」といった感じで、ツイッターでは「#赤坂飯店」というハッシュタグが立って、多くの良心は政権とメディアをけん制している。

繰り返すが、今回の問題は広告スポンサーに関係ない事件だから、視聴率は取れるし販売部数は伸びる事件である。安倍政権が飯食い懐柔作戦に出ても数字が取れればスポンサーは文句は言わない。メディアの諸君はここぞとばかりにアッキード事件の究明に取り組んでほしい。

野党もがんばって追及してほしい。野党共闘してでもこの件では頑張ってほしい。選挙民は注目しているのだよ。