品質の高さと価格の低さで収益は度外視。私の本棚で眠っていたマイブックは、日本各地で二度目の人生を送っている。
一方で、自分の買う本もAmazonの中古本が主なものになった。
しかし、読みたい新刊本は一向に値が下がらないので、このたび初めて地元の図書館で取り寄せの予約をしてみた。図書館での初めてのネット予約だ。
わが自治体の市会議員は、年収1千万円位。私たちのためにどんな仕事をしているのか知らないが、報酬をもう少し図書館の本購入予算に回してもらえないだろうか。
君たちは本など読まないと思うが、図書館所蔵の同じタイトルの人気本が20冊程度だと、待ち人行列はすごいことになっているのだよ。
ということで、私の予約リストは、以下の通り。
今週には手元に確保できるものから、気の遠くなる待ち時間のものまで幅広く予約してみました。
■安倍三代 青木 理/著 -- 朝日新聞出版 待ち順6番(図書館の貸出順)
反戦の政治家として軍部と闘った父方の祖父・寛、
その跡を継ぎ若くして政治の道に入った父・晋太郎だ。
彼らの足跡から「3代目」の空虚さを照らすアエラ連載に大幅加筆。
川越の街の片隅に佇む印刷所・三日月堂。店主が亡くなり、長らく空き家になっていた三日月堂だが、店主の孫娘・弓子が川越に帰ってきたことで営業を再開する。三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心が解きほぐされていくのだが、弓子もどうやら事情を抱えているようで――。
ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。
■あきない世傳金と銀 源流篇 高田 郁/著 -- 角川春樹事務所 待ち順1番
物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。果たして、商いは詐なのか。あるいは、ひとが生涯を賭けて歩むべき道か―大ベストセラー「みをつくし料理帖」の著者が贈る、商道を見据える新シリーズ、ついに開幕!
■罪の声 塩田 武士/著 -- 講談社 待ち順329番
グリコ・森永事件をフィクションで推理する
■空海 高村 薫/著 -- 新潮社 待ち順1番
空海は二人いた。民間信仰に息づく弘法大師を含めると、つまりは三人か。劇場型宗教リーダーとして、国土経営のブルドーザーとして生き、死しては民間信仰の柱として日本人の心を捉えてやまぬ男。わが国の形而上学の基礎を築いたのみか、治水事業の指揮まで執った千二百年前のカリスマ。一人の人間にそれを可能にしたのは一体何だったのか――。空海の足跡を髙村薫がカメラ片手に辿る思索ドキュメント。
■在日二世の記憶 小熊 英二/(他)編 -- 集英社 待ち順4番
■女神のタクト 塩田 武士/著 -- 講談社 待ち順1番
恋も職も失い、傷心旅行で神戸に流れ着いた矢吹明菜、三〇歳。偶然出会ったi-podを器用に操る老人に託されたのは、瀕死のオーケストラの立て直しだった。濃すぎるメンバーとMっ気満点の気弱なマエストロを束ね、凶暴でがむしゃらな“女神”の崖っぷちの挑戦がはじまる。読んだ人すべてに幸福が降り注ぐ笑いと感動の音楽物語。