2020年東京オリンピックのエンブレムの盗作疑惑に拍車をかける話題が、ネットを源泉にまたぞろ湧き出てきた。同じデザイナーによる「サントリー トートバッグ」(現在キャンペーン中)のデザインが、これまた盗用ではないかという。
オリジナルのものと、佐野デザイナーの比較画像を見ていると、たしかにヒントを得た似たようなものから、どなたかのオリジナルをコピペしたようなものまである。個人のブログのフランスパンの画像そのままの引用や、元ネタのスペルの間違いをそのまま引用(オリジナルの文章と同じスペルの間違いで一般化できない)しているコピペ英文もあるそうで、これは言い訳ができないレベルだ。
サントリーは「佐野研二郎デザイン」としてキャンペーンを張っている。彼の事務所の誰かが本人のデザインとして提供したものなのだろうか。ならば、「なんちゃってデザイン」とすべきなのだろう。あるいは、元ネタ提供者に使用許可を取り、いくばくかの使用料を支払うべきだろう。いずれにせよ、事実確認を急ぐべきであろう。
それにしても、比較画像を作った方々、頼まれもしないのに「元ネタ」をよく探してくるねえ。(比較画像は、サントリー以外の例もある。)バレないだろうなどと思っていたデザイナーは、精神が甘い、プロ失格だ。芸術の生みの苦しみを分かっていないとしか言いようがない。
話しは変わるが
そのコンペの賞金額が目を疑うものだった。
競技場建設で60億円をドブに捨てているのに、エンブレムの賞金が100万円。著作権も譲渡して!。100万円でやってくれますかと言われれば喜んでデザインするデザイナーはいるだろうが、広く公募するにはあまりにもケチな賞金だと思う。このオリンピック精神に、盗作疑惑以上に驚愕した。
ちなみに、昭和27年(1952)にタバコの「ピース」のレイモンド・ローウィに支払われたパッケージデザイン料は150万円だったという。当時の巡査の初任給は7,800円、総理大臣の月給は110,000円だった時代にである。
また、亀倉雄策のNTTのマークのデザイン料は1000万円と言われている。30年前の1985年のことである。