遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

バッハ・ヴァイオリン協奏曲/ヒラリー・ハーン

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J.S.バッハ
・ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV.1041
・ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV.1042
・2台のヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV.1043
・ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲ハ短調BWV.1060

ヒラリー・ハーン、マーガレット・バトヤー(ヴァイオリン)
アラン・フォーゲル(オーボエ
ロサンジェルス室内管弦楽団
指揮:ジェフリー・カハーン

録音:2002年10月1-2日(BWV.1042&1043)、2003年1月27-28日(BWV.1041&1060)
場所:ロサンジェルス


バッハのヴァイオリン協奏曲を意識しながら聞くのは、

恥ずかしながら初めてのことである。


チャイコフスキーやベートーベンやメンデルスゾーンの協奏曲とは、

時代が違うバッハの協奏曲。

バッハは、ソロを目立たなくさりげなく配置しているのだが、

録音当時23歳のヒラリー・ハーンは、確たる存在感をたっぷりと示している。

でも、「私が私が感」はまったくなく、

実に絶妙にオーケストラにソロが溶け込んでいる。


小編成のオーケストラは、研ぎ澄まされた音で、

どこをどう聴いても、非の打ちどころのない見事なアンサンブルである。


このアルバム、全編バッハの端正で洒脱な魅力にあふれていて、

まさに春のウキウキ感にぴったりの作品である。

春の喜びの足音がズンズン響いてくる、

全身に力がみなぎってくる協奏曲集なのである。