遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

旅人よ/岩谷時子・加山雄三


 
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先日NHKで、岩谷時子の半生を綴ったテレビ番組を鑑賞。
その後、「どれみふぁワンダーランド」というNHKの番組で、
宮川彬良が、岩谷時子の詩の世界を取り上げていた。
 
岩谷さんは1916年(大正5年)生まれの94歳で、いまもご健在、
その足跡はご存知の通り。
 
私は、「君といつまでも」以降の加山雄三の数々のヒット曲で、
岩谷時子という作詞家をはじめて認識。
それからさかのぼって、「ふりむかないで」「恋のバカンス
ウナ・セラ・ディ東京」の作詞も彼女の手になるものと知る。
なんだかセクシーな歌詞にはじめて出会ったのが、岩谷の作品であった。
 
で、またまた加山雄三の半世紀をたどったNHKのテレビ番組を見た。
そのなかで、彼がコンサートで歌っていた「旅人よ」を観て、
不覚にも涙が止まらなかった。
http://www.youtube.com/watch?v=fgB5dwZmnj4
 
若いときから数え切れないくらい歌ってきた、私にはおなじみの歌なのに、
画面に流れる岩谷の詩を見ていたら、胸がいっぱいになったのであった。
 
人生の旅を重ねてきて、私は先だって57歳になったのだが、
若い頃にはただ歌っていたしていただけの歌詞の重みが、
この歳になって、心に響いてきたのである。
 
岩谷時子は、先に作曲された曲に歌詞をつけるという、大変な作詞家で、
たとえば、後に自分の歌詞で「旅人よ」になる演奏だけの音楽から、
ああいう詩をイメージ出来るのはすごい想像力だなと感動する。
 
加山の作ったあのメロディには、あの歌詞以外には考えられないのだけど、
それって、想像を絶するいい仕事の結果だと思うにつけ、
岩谷の、一つ一つの仕事をおろそかにしない気概が伝わってくる。
 
後年、念願のミュージカルの歌詞や訳詩の仕事に時間を割き、
日本語で演じられるミュージカルの発展に、貢献されてきた。
蜷川より先に岩谷の方に文化勲章は行くべきだと、思うのは私だけではないはず。
 
1966年に世に出た「旅人よ」、岩谷時子、50歳の時の作品である、
なるほどなるほどと、感無量になるのであった。
 
岩谷時子の主な仕事
愛の讃歌』(越路吹雪
『サン・トワ・マミー』(越路吹雪
『ラストダンスは私に』(越路吹雪
『ふりむかないで』(ザ・ピーナッツ、作曲:宮川泰
恋のバカンス』(ザ・ピーナッツ、作曲:宮川泰
ウナ・セラ・ディ東京』(ザ・ピーナッツ、作曲:宮川泰
『夜明けのうた』(岸洋子、作曲:いずみたく
『貴様と俺』(布施明、作曲:いずみたく
『これが青春だ』(布施明、作曲はいずみたく
『逢いたくて逢いたくて』(園まり、作曲:宮川泰
『旅人よ』(加山雄三、作曲:弾厚作
『おまえに』(フランク永井、作曲:吉田正
『君といつまでも』(加山雄三、作曲:弾厚作
『お嫁においで』(加山雄三、作曲:弾厚作
恋の季節』(ピンキーとキラーズ、作曲:いずみたく
『涙の季節』(ピンキーとキラーズ、作曲:いずみたく
『君をのせて』(沢田研二、作曲:宮川泰
『ほんきかしら』(島倉千代子、作曲:土田啓四郎)
いいじゃないの幸せならば』(佐良直美、作曲:いずみたく
『男の子女の子』(郷ひろみ、作曲:筒美京平
サインはV
ふしぎなメルモ
 『ある愛の詩』(越路吹雪
『哀しみの黒い瞳』(郷ひろみ
『夢見るシャンソン人形』(フランス・ギャル
王様と私』(ミュージカル)
『ウエストサイド物語』(ミュージカル)
ジーザス・クライスト=スーパースター』(ミュージカル)
『スーツケースを抱いて』(ミュージカル『エビータ』)
レ・ミゼラブル』(ミュージカル)
ミス・サイゴン』(ミュージカル)