遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

清水市代女流王将VSあから2010

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チリの鉱山に生き埋めとなっている33人、

現在、ひとりずつ救出されているところで、ほんとによかった。

2カ月前には、絶望視されていた彼らが地底で無事だと聞いて、

さっそく在日チリ大使館にはさまざまな救援物資が届いた。

なぜかそれらの物資の中に、立派な将棋盤と駒のセットがあった。

地底でルールを覚えて救出まで将棋でも指して気長に待っていてくださいという

メッセージが込められていたのか…。

マージャンより場所をとらないし静かだし、それはなかなかの発想だったかもしれない。

幸いにも、将棋のルールを覚える暇もないくらいスピーディに彼らは救出された。


さて、3年前に私は「竜王VSボナンザ」という記事を書いた。
地球上で最も将棋が強い人間の一人渡辺竜王が、

最強の将棋ソフトと戦い、何とか勝利したニュースであった。

ところが3年の月日が流れ、今週の月曜日には、

清水女流王将が「あから2010」という将棋ソフトと対決し、敗れたという。


清水ファンの私が彼女の肩を持って言い訳させていただくと、

イベント色が強くて、別会場で大盤による解説も行なわれていたせいで、

持ち時間が3時間と、短いことが不公平だったと思う。

将棋ソフトは、過去の棋譜から最善手をあっという間にはじき出せるが、

人間は「強い」けれど「速く」はないので、

持ち時間が少ないというのはかわいそうだと思う。

それと、機械相手に人間が指すというのも、平常心で対局できなくなり、

コンピュータに感情はないのだからアンフェアではある。


それにしても、最強ソフトを4組も備えた「あから2010」が、

それらを駆使して導き出した最善手は、ほぼ最強だと思う。

百戦錬磨の清水王将を、短い手数、86手で破ったとは、なかなかすごい。


将棋ソフトの挑戦状を受けて立った将棋連盟の米長会長、

勝算はあったのか、それとも話題づくりに挑戦を受けたのか、

次は、元名人の米長会長自らが対局して欲しい、


それから、とても話題性があるのでスポンサーはすぐつくだろうから、

負けても賞金額の大きい「あから」トーナメント戦を作ってほしい。

誰かが勝つまで続けていって欲しいと思う。

プロ棋士は、次から次へと対戦していってほしいと願う。

頑張れ人間。