アルゲリッチの8枚組ボックスのなかの1枚。
2010年は、生誕200年のピアノの巨人が2人、
ひとりは言わずと知れたショパンで、
もうひとりはシューマン。
「子どもの情景」は、タイトルは知ってはいるが音源は持ってはいなかった。
「トロイメライ」はよく知ってはいるが、ほかの曲はよく知らない。
でも、その「ほかの曲」たちがみなとてもすばらしい。
演奏も曲もすばらしい。
「クライスレリアーナ」にいたっては、そのタイトルすら憶えられそうにない。
でもアルゲリッチは、
激しく動いたり、心をこめたり、
速すぎず、ときに激しく駆り立てられて、
きわめて遅く生き生きと、きわめて速く、諧謔をもって、
一気に弾きあげる。
そんなわけで私の初シューマンは、200年目にしての邂逅とあいなった。
ついでに言えば、ほぼ生誕70年のアルゲリッチ、
今まで無視し続けてきて、
8枚組ボックスで初抱擁、当然だが、私が抱かれる方。
これは1983年に録音された、アルゲリッチ41歳のときの作品。
ここ数週間、こればかり聴いて幸せ気分でいる。