若きアルゲリッチの熱き演奏に感服、
リストは女性がこの曲を演奏すると意識していただろうか、
と思わずにはいられない。
リストはその翌年に生まれているので、来年が生誕200年になる。
この3人の天才が同時期に活躍していた当時のヨーロッパの音楽界とは、
どんなんだったろうと思わずにはいられない。
ドイツ語圏に近い中欧で相次ぎ生まれている。
こんな時代がかつてあっただろうか。
デジタルに音が響く力強いフレーズが交互に組み合わされている。
リストの力強いメロディの部分はユニークで、
それを圧倒的な力で、それも疾風のような速さで、
まさにインカルツァンドのお手本のように、アルゲリッチは弾いてくれる。
繰り返しになるが、リストはこの曲を女性のピアニストを意識して
作曲していたのだろうか。
女性がこの曲を弾きだしたのはいつ頃からなのだろうか。
とにかく、鍵盤の上で、リストとアルゲリッチの闘いがくりひろげられているような、
そんな録音なのである。