遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

マルタの鷹/ジョン・ヒューストン

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「マルタの鷹」 1941年
製作: ワーナー・ブラザーズ・スタジオ
監督: ジョン・ヒューストン
原作: ダシール・ハメット
脚本: ジョン・ヒューストン
出演: ハンフリー・ボガート
    メアリー・アスター
    グラディス・ジョージ


「マルタの鷹」は、ダシール・ハメットの最高傑作と称される。

私は原作を読んでいるが、例によって内容をよく覚えておらず、

小説レビューを書けない。


手元にある創元推理文庫の表紙には、

映画でサム・スペイドを演じたハンフリー・ボガートが描かれている。

この文庫は、広島のホテルの枕元に置き忘れてしまって、

再購入したものである(ということはよく覚えている)。

1986年37版と奥付にある。


さて、映画の方は最近廉価DVDを購入して初めて観る。

巨匠ジョン・ヒューストンのなんと初監督作品で、

製作年は、これもなんと、真珠湾攻撃の年である。


当然にわが国に登場したのは映画が先で、

だから私の文庫の表紙にはボギーが描かれているのである。


サム・スペイド役のボガートは、

この演技で一躍人気者になり、

この作品のすぐ後に撮った「カサブランカ」で、

押しも推されもしない殿堂入りの俳優になった。


よく覚えていないのに偉そうなことは言えないが、

原作のスペイドのイメージとボガートが私の中でうまくマッチしない。


スペイドは、イライラセカセカしていて、機関銃のごとく早口で喋り、

タバコばっかり吸っているような探偵だったイメージはない。


もっと若くて大きい強さがイメージだった。

しかし世間ではこのボギーがカッコイイのだそうだ。

1941年だったらこれでいいのかな。


それにしても、

禁煙中の私には、実にイライラするほど皆タバコを吸ってくれる。

いまとなっては欧米ではTVでは放送してもらえないほど、

小道具のごとくタバコをあつかう。


黄金と宝石がちりばめられた鷹の置物をめぐって、

欲望が渦巻く、単純なストーリなのだが、

話の落ち着け方が、カッコイイのである。


誰がやっても原作どおりにやれば、

ハード・ボイルドな落着を見るのである。


映画より原作小説の方をお薦めする、




の原作である「血の(赤い)収穫」 http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/38980448.html

もハメットの代表作である。


こちらは、映画も小説もお楽しみいただきたい。

どちらも非の打ちどころがない名品である。