世界三大音楽コンクールのひとつ「チャイコフスキー国際コンクール」で優勝したバイオリニスト・神尾真由子、21歳。 2007年夏、神尾は、留学先のジュネーブから受賞後初めて帰国し、およそ1か月を日本で過ごした。番組ではその1か月に密着。素顔を記録し、長時間のインタビューを行った。あくまで「強い」音と「強い」心で音楽に向き合おうとする21歳の天才の秘密に迫る。
いま、NHKで放送中のハイビジョン特集
「強く 強く~バイオリニスト・神尾真由子 21歳~」。
この番組は去年、録画して観たあと、何回か観て、
また今再放送を見ながらこの記事を書いている。
チャイコフスキーコンクールを扱ったどこかの番組で、
その番組は主にピアノの演奏家を追いかけたものだったのだが、
神尾もバイオリンで1位だったこともあって少し画像で拝見したことがあった。
その時の印象は、勝気そうで自信満々で、
「これが21歳?」という風格を感じたが、
必ずしも親近感を持ったわけではなかった。
この番組視聴後は、彼女のイメージがかなり変わった。
彼女の風格を作り上げたものが、音楽への姿勢だということがわかった。
あたりまえだが、彼女の生活スタイルは必ずしも音楽一辺倒ではないことも、
彼女自身の言葉や番組の取材を通じて知った。
21歳の普通のお嬢さんの部分を多く持った女性なのだということもわかった。
それでもなお、プロの演奏家というゆるぎない軸を持った人で、
インタビューアーへの真摯な接し方からもそれが伺えた。
優れた演奏家である前に、きちんとした人間であることも大事なことだと思った次第である。
Q.チャイコフスキーを演奏するときにはどんなことに気をつけて演奏しますか?
などと、素人の私には嬉しいことをおっしゃってくれる。
でも、優れた演奏家だからこそのお言葉でもあると拝聴した次第である。
「包み」で人を判断してはいけないと言う、神尾の重い言葉。
21歳で深いことを言うねぇと感心する、
我が家の娘とそんなに歳は変わらないが、
こんなことは死ぬまで言わないだろうと思うのである。
しかし、コンクール優勝者という「包み」を持って、
彼女は生きていくことになり、それも大変なことだと思うのである。
バイオリニストを取材した番組なのが、
取材の対象がたまたま若い演奏家であるという一般教養番組として、
あるいはクラシックファンに向けた音楽教養番組として、
(楽譜の書き込みなどが興味深かった!!)
私は2倍楽しめて面白く拝見した。
今夜、サントリーホールでの凱旋コンサートも模様も、
放送される予定である。
チャイコンも演奏される。