遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション

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アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション




曲目リスト
1. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
2. レッド・ペッパー・ブルース
3. イマジネーション
4. ワルツ・ミー・ブルース
5. ストレート・ライフ
6. ジャズ・ミー・ブルース
7. ティン・ティン・デオ
8. スター・アイズ
9. バークス・ワークス

1957年1月19日 ロサンジェルスにて録音



今日の1枚は、我が国では超人気のアルバムである。


私、このレコードを20歳の頃に、

スイングジャーナル誌選定のゴールドディスクとして

再販されたのを購入した。

私にとってはジャズと出合った初期の頃のコレクションである。


スイングジャーナルのゴールドディスクは、

幻の名盤を掘り起こして、誌上で自画自賛よろしく褒め称え、

私のようなジャズ青年に薦めてくれたのである。

それはそれで大変お世話になったのである。



ヘレン・メリル(・ウィズ・クリフォード・ブラウン)のヴォーカルで、

どなたでもお馴染の、その昔セイコー・ドルチェのCMでも使われた

「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」

から、このアルバムは始まる。


「つかみ」はバッチリで、

その後は、何の異物感もなくのど元を通り過ぎる演奏である。


「ザ」リズム・セクションは、ウェスト・コーストの若者を、

じゃますることなく、しかし、しっかりサポートしてくれる。

親方のマイルスが嫉妬しそうなほどヴィヴィッドなサポートである。


脇役がいいと、二枚目役者はよりいっそう色男になれる、

そんな典型的な演奏録音である。


バラードもビーバップもブルースも何でもありの、

アート君が青く感じられるほどの爽やかさに、

本邦のジャズファンは胸を打たれるのである。



チャーリー・パーカー、フィル ウッズ、

ジョニー・ホッジス、ベニー・カーター、


アルトサックスの名手は数多く、まさに激戦区である。



彼らの前に、アートペッパーを聴かれるのもよろしいかと思うのである。