遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

バド・パウエルの芸術

イメージ 1
 
 
先週末は冷たい雨の中、一日中釣竿を操っていましたが、
そんなに幸せでもない今週末は、自宅で温かくしてごろごろしています。
それって、幸せか。

バド・パウエル最高のプレイが収められた“モダン・ピアノのバイブル”。
張りつめた緊迫感と高雅な抒情が素晴らしい!」
 
と売り文句が付けられて、いまも色褪せることなく昔の名前のままで、
CDショップやネット・ストアに陳列されております、このアルバム。
 
1~8までが1947年1月の録音で、バド初のリーダーアルバムであります。
まだバドは22歳!! 「4月の思い出」でゆったりと始まったかと思いきや、
2曲目の「インディアナ」でいきなりトップギアに入ります
 
トップギアで走っても、22歳の若者のあぶない未熟なプレイではなくて、
バランスの取れた聞き手に安心感を与える、どこにも破綻のない素晴らしい演奏です。
ジャズにおけるピアノ・トリオ(ピアノ、ベース、ドラム)という形式は、
ここに始まったと言えますし、その形式の最も優れた演奏だとも言えます。
 
9曲目以降は1953年の録音ですが、病み上がり(生涯完治はしなかった)と気付かせない、
後世のお手本になる演奏を残しています。
 
「バドパウエルの芸術」、まさに天才のなせる業です。
「バドパウエルの奇跡」と呼んでもいいかもしれない演奏を遺してくれました。
国内盤でも999円で買えるアルバムですので、
買い求めて寒い夜に贅沢な時間をお過ごしください。春はすぐそこまで来ています。 

■パーソネル
バド・パウエル(p)、
カーリー・ラッセル(b)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b 9-16)、
マックス・ローチ(ds)、アート・テイラー (ds 9-16)
■曲目 
1. 四月の思い出
2. インディアナ  
3. サムバディ・ラヴズ・ミー
4. アイ・シュッド・ケア 
5. バッズ・バブル 
6. オフ・マイナー  
7. ナイス・ワーク・イフ・ユー・キャン・ゲット・イット 
8. エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー
9. エンブレイサブル・ユー 
10. バート・カヴァーズ・バド
11. マイ・ハート・ストゥッド・スティル  
12. ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ 
13. バグス・グルーヴ  
14. マイ・ディヴォーション
15. 星影のステラ
16. ウッディン・ユー