遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

マジック・ソープ

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会社帰りのJRの4人がけのボックス席、

同席になったのがみなご老人。

50歳代の私が4人の平均年齢を下げてはいるものの、

4人合わせて240歳(平均60歳)は下らないと思われる。


私のお隣さんは「ワンセグ」をご覧になっている、

お向かいさんは私と一緒で文庫本を読み、

ななめ向かいの方はあちこちに視線を飛ばす方であった。


しばらくして、なにやら匂う、

おそらく4人の加齢臭だという結論に達する。

私は自分の匂いがわからないので、精確にはお三方の加齢臭かと思われる。



自分の匂いがわからないのと似ている現象が、

たとえば家の匂い。

よそさまのお宅は匂うが自宅のそれは感じない。


また、海外に行くと、空港に到着すればたちまち、

そのお国の匂いに遭遇する。

我が国でどこへ出かけてもそんな経験はあまりしない、

自分の国の匂いは感じないのである。


自分や自宅や毎日通う職場や自国の匂いは、

慣れてしまって気が付かず、ほぼ無臭と感じているのかもしれない。



私にとってはほぼ無臭のわが国民、

なのに近頃欧州の香水などを使用なされる。


通勤道路を歩いていると、

3m前を行く頭のてっぺんからつま先までおそらくブランド製品で武装した、

普通なら気に留めないのにそんな武装をしているから逆に相当に不細工な男から、

欧州の空港に降り立ったときに真っ先に感じる類の匂いが漂ってくる。


どういう感覚でああいう格好をし、ああいう匂いを発散させているのか、

私にはわからない。

清潔感があることは前提条件からはずせないが、

無印製品で身を固め、無臭のお方のほうが100万倍も好感が持てる。

匂わないのが、もしくは、ほんのり匂うのがこの国の美学なはずなのに、

海外ブランドこれでもか~というお方が少なからずいらっしゃる。


ま、せめてボディ・シャンプーの香りがほのかに匂ってくる、

程度のことにしていただきたいと思うのである。


画像は私愛用の石けんとボディ・シャンプー、

米国製のマジック・ソープ。

あわただしい朝はボディ・シャンプーを、

夜や休日にはゆっくりと固形石けんを、使い分ける。



成分は100%オーガニックなオリーブ油とヤシ油がベースだとのこと。

ローズ、アーモンド、ティーツリー、ユーカリ

ラベンダー、ペパーミントなどの植物系の匂いがする石けんである。


石けん1個(140g)定価は税込みで900円くらいもするが、

半額くらいで売ってくれるネット・ショップに入荷すれば、

少し先の分まで買い足しておく。


あくまでも個人の感覚ではあるが、私はこの匂いは好きである。


加齢臭が私にあるのかないのか、自分ではよくわからないが、

この石けんでそれを隠しているつもりなのである。

匂わないのが美学であるが、加齢臭には有効手段かもしれない。


石けんの自体は、しっかりした個性のある香りだが、

既に同居人たちは私に慣れてしまって気付かないのかもしれないが、

とりたてて言うほど私からソープの香りも加齢臭も、

立ち昇ってきていないようである。