このCDは持っていないが、私が観たコンサートで、
生涯ベストワンのものであった。
ザ・フォーク・クルセダーズが当時(2002年11月)結成され解散したのであった。
はしだのりひこはフォークルのオリジナルメンバーではないが、
彼の声の音色は独特であり、フォークルのコーラスの響きには、
私にとっては懐かしくて必要不可欠であるのだが、
それでも、坂崎の参加で必要充分なメンバー構成であった。
いきなり口上に市川猿之助が出てきてメンバー3人を紹介する、にんまりと驚愕。
「つかみ」と言っては猿之助に叱られるが、その目論見は大成功であった。
北山教授は、お顔がはっきりするとお仕事に差し支えるとかで、
薄めのサングラスをかけて、しかもTVカメラによるアップもなし。
それでも唄わずには、語らずにはいられないお方である。
「戦争を知らない子供たち」の北山の歌詞を見て、
こんな子供じみた歌は唄えないと、俺のポリシーから外れていると、
曲をつけるのを拒否した歌を、加藤が今になって唄う。
サトウハチロー作詞の「悲しくてやりきれない」、
寺山修二作詞の「戦争は知らない」(加藤ヒロシ作曲)、
懐かしのヒットパレード(そんなにヒットしていないか)には、
ただただ嬉しくて、幸せな気分であった。
団塊世代から数年年下の私のフォークルへの思い入れは、
かなり個人的なものであることを割り引いたとしても、
古いお気に入りの歌は愛しい人の笑顔のようなもので、
とにかく元気がよみがえる。
彼らには、楽しい素材を見つけ出して料理してしまう素養があった。
その歌心が30年経っても変わっていないことが、素晴らしい。
映画「パッチギ」は未見だが、
「イムジン川」が発禁になった複雑な時代背景にはまだ疎かった少年だった私は、
能天気にもこの歌を、おぼえたてのギターを掻き抱いて唄っていたものだ。
フォークルのナンバーではないが、
「あの素晴しい愛をもう一度」は、私の永遠のスタンダードでもある、
「涙が知らずに溢れてくるのさ~♪」、そんなコンサートであった。
曲目リスト 1. 口上 2. 紀元弐阡年 3. グァンタナメラ 4. コキリコの唄 5. 今日の料理テーマ 6. 山羊さんゆうびん 7. 巌流島 (The King of Three Fingers)-Jingle Bells- 8. きつね 9. 戦争は知らない 10. 花のかおりに 11. 戦争を知らない子供たち 12. 大統領殿 13. 感謝 14. 花はどこへ行った 15. 花 (すべての人の心に花を) 16. 悲しくてやりきれない 17. イムジン河 18. あの素晴しい愛をもう一度 19. ライカはローリング・ストーン 20. 帰って来たヨッパライ