
ザ・フォーク・クルセダーズのメンバーだったはしだのりひこさんが、12月2日に亡くなられた。
フォークルの歌のハーモニーのきらびやかなパートを担当していたのがはしだだった。細かいビブラートの金属的な独特の響きの歌声がはしだのりひこの特徴で、彼の歌がフォークルの肝だった。
高校生の私は、フォークルが解散することを最も嘆いていたファンの一人だったが、はしだのりひことシューベルツのデビューにその嘆きを癒された思いだった。勉強はまったくしないで、親に買ってもらったヤマハの一番廉価なフォークギターを一生懸命練習して、シューベルツのデビュー曲「風」をなんとか弾き語るところまで到達していた。
60歳を迎えて、iTunesでその「風」などをダウンロードして今なお聴いている。フォークルをはじめてとして、はしだが参加・結成したバンドのヒット曲を、何度も何度も聴いて歌ってきた人生だった。フォークル以降は、彼の作曲した歌が花開いた季節であった。
私は一度、友人と入った京都の喫茶店ではしだのりひこと出会っている。(その場の雰囲気から、はしだの実家のような感じだった。)それは1970年代の後半だったので、すでに全盛期は過ぎていたが、享年(満72歳)から逆算すれば彼はまだ30歳くらいだった。しかし超有名人であり、すでに一仕事してきた人間のオーラが漂っていて、私の脳内には「風」のイントロが流れ出していたように思う。
ありがとうございました 謹んでご冥福をお祈りします 合掌
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