30年ばかり前、LPレコードで手に入れた1枚である。
録音は1949年から50年にかけたもの。
1曲の長さはSP盤仕様で3分余り、
珠玉の短編集である。
殊に、9曲目までのピアノ担当がバド・パウエルのものが素晴らしい。
このアルバムではテナーサックスを吹いていた、本当はアルトサックスの名人。
スティットのテーマとなる旋律で各ナンバーは始まり、
彼が休憩すると、バド・パウエルがベースとドラムを従え、
あたかもピアノ・トリオ・アルバムかと思うまもなく、
またソニー・スティットが絡んでくる。
躍動感が素晴らしい。
4分以内に自分たちの芸術性を発揮しようと、
すばやいプレイを繰り広げるが、このふたりの破綻のない演奏に感動する。
この二人のリズムセクションに支えられた、スティットとバドは、
縦横無尽に即興演奏を披露してくれる。
何度聴いても何年付き合っても、いつも幸せにしてくれる1枚である。