遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

平均律クラヴィーア曲集第2巻/キース・ジャレット

イメージ 1

バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 キース・ジャレット



バッハの「平均律」。最近では「平均律クラヴィア曲集」という呼び方が一般的になってきたようだが、
かつては「平均律ピアノ曲集」という表記をよく見かけた。
原題は《Das wohltemperierte Clavier》、ドイツ語だ。問題となる'Clavier' という語。「鍵盤楽器
という意味で現在のドイツ語ではピアノをさす(現在の綴りは 'Klavier'が一般的)。
しかしバッハの時代にはまだピアノは普及しておらず、チェンバロクラヴィコード、ときとしてオルガン
も含めた鍵盤楽器全体を'Clavier' と呼んでいたようだ。


キース・ジャレットは、平均律クラヴィーア曲集第1巻を、

ピアノで録音している。


しかし、この第2巻は、チェンバロでの演奏。


私にとってジャズの名盤中の名盤、

キースのピアノ・ソロ・ライブ

「ザ・ケルン・コンサート」。 http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/4439783.html


この「ケルン」の演奏をキースは唸りながら演奏。

ジャジーなフレーズが総て登場する、煌びやかな作品である。


それにひきかえ、この平均率はバッハに忠実に、

楽器までチェンバロに換え忠実に表現している。


ジャズじゃないのだから、バロックなのだから当たり前なのだが、

楽譜どおりに唸りも勿論無しで演奏している。


2枚組の1枚は私の部屋のCDステレオに、

もう一枚はカーオーディオに入れっぱなしにしてここしばらく聴き続けている。


「平均率」を聴き続けた後、「ケルン」のソロを聴いてみると、

少しお喋りが過ぎるかな、と思わずにいられない。


平均律クラヴィーア曲集第2巻」24曲の

その静謐なエクスタシーをたっぷりうっとりまったり楽しまれたい。


バッハが偉い、キースが素晴らしい。

2人が心の襞の隅々を幸福の滴で清めてくれる。