遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

極大射程/スティーヴン・ハンター

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極大射程〈上・下〉  スティーヴン ハンター (著)

佐藤 和彦 (翻訳) 価格: 各 ¥700  新潮文庫


ミステリの新作ガイドブックで、

よくお世話になった宝島社の「このミステリがすごい!」(略して「このミス」)。


その「このミス」の2000年版、

海外編第1位がスティーヴン・ハンターの「極大射程」であった。


なんというヘンテコなタイトル、

しかし「このミス」の面白さ紹介確度は極大なことが分かっている私。


迷わず買い求めて、うれしくなる収穫。


アメリカの銃社会は、絶対反対だし、反戦思想の私だけど、

このスナイパーが主人公の小説は、楽しめた、面白かった。


1400ヤード(1200m余り)先の的を、精確に射ることのできる、

ベトナム戦争のヒーロー、主人公ボブ・リー・スワガー。


父親は、太平洋戦争のヒーロー、アール・スワガー。



この父子のスワガー・シリーズは、「極大射程」から始まり、以後

「ダーティ・ホワイト・ボーイズ」、「ブラック・ライト」「狩りのとき」


と続く。


どれも、エンターテイメント小説の真髄を心ゆくまで味あわせてくれる。


大自然の中で静かに暮らす家族思いな男を貶(おとし)めたら、

どのようなことになるか、まずはまずは、「極大射程」で確かめられたい。


宮本武蔵が、京都一乗寺下り松で、一大センセーショナルを巻き起こしたごとく、

剣をライフルに持ち替えたスワガーが、悪に挑む。