遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

お薦めミステリ/東山彰良×池上冬樹

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読書週間が始まった日(2015年10月27日)の朝日新聞の特集が、「さぁ、言葉の迷宮へ 東山彰良さん×池上冬樹さん対談 秋の読書特集」だった。

東山彰良は、先の直木賞を審査委員の満場一致の大絶賛で獲得したばかり。彼の受賞作「流」は、文庫本なってから読むことにする。
対談の相手の池上冬樹は文芸評論家。ミステリファンの一人としては、楽しい特集だった。

お二人がおすすめのミステリ5冊を挙げている。翻訳小説があまり読まれなくなって久しいが、このお二人のように私も敢えて翻訳ミステリーをお勧めしたい。
人生そのものがミステリーなのだから、カテゴリーにこだわることなく、覚えにくい人名にくじけることなく、読書週間が終わっても是非お読みいただきたい。幸せが待っていると思います。

東山さんお薦め5冊
佐藤正午著『鳩の撃退法』(小学館・上下各1998円)
コーマック・マッカーシー『血と暴力の国』(黒原敏行訳、扶桑社ミステリー・926円)
パトリック・デウィット著『シスターズ・ブラザーズ』(茂木健訳、創元推理文庫・1296円)
カズオ・イシグロ著『わたしを離さないで』(土屋政雄著、ハヤカワepi文庫・864円)
スティーヴン・ハンター著『ダーティホワイトボーイズ』(公手成幸訳、扶桑社ミステリー・944円)

佐藤正午著『鳩の撃退法』は初耳小説。文庫化されてから読んでみるかな。
コーマック・マッカーシー『血と暴力の国』は映画「ノーカントリー」の原作。この原作の邦題は血なまぐさい。
パトリック・デウィット著『シスターズ・ブラザーズ』。さっそくアマゾンで古本購入(250円+送料257円)。届いたのは新品同様品!で、いま読んでいるところです。
カズオ・イシグロ著『わたしを離さないで』は、阿呆な私はラブロマンスかと思っていた、読んでみよう。
スティーヴン・ハンター著『ダーティホワイトボーイズ』。「極大射程」から始まる“ボブ・リー・&アール・スワガー・サーガ”は、10年以上前に7作まで読了。7作目までの面白さは、私が保証いたします。

池上さんお薦め5冊
ジョン・ル・カレ著『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕』(村上博基訳、ハヤカワ文庫・1188円)
ローレンス・ブロック著『八百万の死にざま』(田口俊樹訳、ハヤカワ文庫・1123円)
レイモンド・チャンドラー著『ロング・グッドバイ』(村上春樹訳、ハヤカワ文庫・1132円)
池波正太郎著『鬼平犯科帳』(文春文庫・全24巻・464~648円)
北方謙三著『抱影』(講談社文庫・810円)

ジョン・ル・カレの『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』は、旧訳の方を数年前に買って、積読状態になっている。いつか頑張って読む。
ローレンス・ブロック著『八百万の死にざま』は、20年以上前に読了。アルコール依存症治療中の元NY市警マット・スカダーの物語。魅力ある主人公だった。
レイモンド・チャンドラー著『ロング・グッドバイ』は、映画字幕でもおなじみの清水俊二訳の「長いお別れ」を30年以上前に読了。探偵フィリプ・マーロウと接すると、世の中少し違って見えてくると思う。