遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「私はウソつきでもコソ泥でもありません」といつ説明するの?小池さん

ヒルトンにいる父親に、小池は会いに行く。するとある日、白い大きな巾着袋のようなものを手に提げて、アパートに帰ってきた。
 小池はその巾着袋をテーブルの上に置くと、北原さんの眼をじっと見つめながら、無言で巾着の口を握っていた手を離した。
 ガチャガチャと音を立てて巾着は四方に広がった。中から現れたのは、コーヒーカップ、皿、ナイフ、フォーク、シュガーポット……。〉
ヒルトンのハンガーは、やがてクローゼットに入りきらなくなった〉

これは『女帝 小池百合子(文春文庫、石井妙子著)に描かれた、都知事小池百合子氏がエジプト・カイロに留学していた時代の、あるエピソードである。

文春オンラインの6/27の「悪びれることなくホテルから銀の食器を何度も……小池百合子都知事、知られざるカイロ時代の素顔」という記事は上の文章で始まっています。

石井妙子の『女帝 小池百合子』には、そんなエピソードまで書かれていたのでした。

上の銀食器の写真は、フリーの素材だと思っていたら、なんと当時の同居人北原さんの手元にある小池がくすねてきたナイル・ヒルトンのカトラリーの現物なのだそうです。ヒルトンに返すわけにもいかなくて、北原さんはその一部を今も保管していたようです。

小池がくすねてきたころには銀の光沢がきれいな食器だったのでしょうが、半世紀の時を経てアンティークな趣のある食器に変身しています。

ナイルヒルトンのNHマークが漢字の「小」の字に見えます。小池はこのデザインに惹かれたのでしょうかね。

そんな50年前の話を今ごろ持ち出しても...という向きもあろうかと思いますが、世界一スマートな大都市東京の都知事を8年も務めている人物のエピソードとなると、看過できないお話ではないでしょうか。

いまとなっては清廉潔白なお方になられたのだとしたら、それを今こそ証明しなければならないと思います。4年前に出版された『女帝 小池百合子』の著者と証言者を名誉棄損で訴えても良かったと思いますが、4年前から小池百合子は逃げまくっているようです。説明するなりなんなり、説明しなければ逃げられないのに。

政治家は、いまの自分の公約と過去の自分の行為や言論(取り消しや謝罪もあり)もひっくるめて有権者にさらして信用を得て、当選を果たすことが重要なことです。過去の自分に口を閉ざしていては何も分からないので、公開討論や街宣なので信を問う行為を見せなければならないでしょう。

50年前のコソ泥エピソード、カイロ大学卒業という学歴詐称都知事としての8年間の実績などなど、黙っていてはいけません。小池百合子自身の口で、いまもう一度「過去」のすべてと今後の4年間の知事としての公約について、丁寧な説明が必要です。

教会の銀の食器を盗んだ(燭台は追加でもらった)ジャン・バルジャンは、その後立派な人間になり市長にもなりましたから、「ウソつき」や「コソ泥」だと言われている私が東京都知事になったことを説明しますからどうぞ理解してください、そしてこんな私が東京をもっと素晴らしくしますと訴えることが必要です。

この都知事選でそれがもっとも重要な現職知事としての選挙活動での態度だと思いますが、みなさまいかがでしょうか。

それにしても、蓮舫は清廉潔白ですねえ。

bunshun.jp