今年の初め(2023年1月)、大阪湾に迷い込んだマッコウクジラは、体長が16mもあるオスのクジラだったようですが、沖に帰ることなく湾内で亡くなりました。
大阪市立自然史博物館(市博)は、そのクジラを標本にして展示保存したいと大阪市に伝えていましたが、諸条件が整わなくて、結局重りを付けられて紀伊水道の沖に沈められました。
「諸条件」とはいろいろありますが、そのすべてはお金で解決できることで、その費用が捻出できなかったことだったように思います。
大阪市は、無駄な税金は使わない「身を切る改革」を推進中の自治体ですから、クジラの標本ごときに金を出せないという考えだったのでしょう。当時の松井市長の考えはそういうことだったと想像しますし、松井のところに陳情が行く前に門前払いになった可能性もあります。
市博は、「マッコウクジラはオスとメスでは大きく形状が異なります。平成22年に回収し当館に展示中のマッコウクジラはメスの個体ということもあり、館内での議論を経て、オスの標本は当館としてはぜひ入手したいと標本取得希望の意向を伝えてきたことは各種報道にあるとおりです。」としています。
What's New: 2023年1月のマッコウクジラのストランディングと標本化に関する経緯について
悪臭などで迷惑をかけない夢洲に件のクジラ君の亡骸を埋め立てておいて、数年後に掘り返したら立派な骨格標本が出来上がっていただろうと思うと、2300億円を超える費用をかけて税金をどぶに捨てるような大阪万博開催にあらためて憤りを覚えます。
話は変わりますが、「国立科学博物館のクラウドファンディングが9億円を突破」というニュースが少し前に話題になりました。
当初1億円が目標だったようですが、目標額はまたたく間に達成し、最終的には9億円を突破したのだそうです。
国立の科博でも、クラファンをしなけらばならないほど予算は回ってこないようです(涙)。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000322896.html
金沢大学でも30年以上経過した学内のすべてのトイレの改修のための1億円を、クラファンで募集し始めたそうで、国立大学はどこもそんなことなのかと涙が止まりません。
この国はまことに貧困の極みだというべき事態に立ち至っています。
国家予算が114兆円もある日本国ですが、いったい何に税金を使っているのでしょう。
日本学術会議への予算はわずか年10億円程度だそうで、そのメンバーについても菅政権時代に「NGリスト」が存在しましたが、さまざまな分野の英知をできる限り排除して、軍事予算やピンハネ経済を守ろうとする政権にこのすぐれた国が亡ぼされるのを黙って見ていられない心境であります。
取りあえずは次の選挙で政権交代をお願いしたいところです。
ここまでひどいことになると、日本沈没を防ぐのに政権交代くらいしか思いつかない、今日この頃なのであります。
>国立科学博物館のクラウドファンディングが「9億円」を突破
— 桃太郎+ (@momotro018) 2023年11月6日
手数料およそ1.5億円。物凄く嫌な予感がして調べてみたら、クラファン会社の代表取締役が「慶應卒→ダボス会議→安倍内閣の委員→岸田内閣の内閣官房有識者」という、自民党御用達のズブズブ竹中平蔵ラインだった‥。まさにマッチポンプ。 pic.twitter.com/EBMqqL67TR