遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

埼玉(全国)の皆さん、こういう政治家を選ぶと暮らしが破壊されますよ/「留守番禁止」条例案取り下げ

埼玉県の「留守番禁止」条例案が取り下げられました。

《子どもだけでの留守番や外出を「置き去り」として禁じる埼玉県虐待禁止条例の改正案が10日、保護者らからの批判を浴びて撤回に追い込まれた。SNS上では、取り下げに安堵の声が寄せられる一方で、取り下げた自民党県議団の「言葉足らず」という言い訳に「すり替えだ」「足りなかったのは現実認知力だ」などと疑問の声が殺到した。(東京新聞)》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/282794

このとんでも条例案は、6日に県議会福祉保健医療委員会で審議され、「対象が広すぎる」などと反対の声も上がりましたが、提案した自民党県議団と、公明党の委員が賛成し可決されていました。(上の画像)

委員会で可決した条例案を取り下げられるのかどうか知りませんが、委員会で賛成した自民と公明の議員たちは「それでいいのだ」なんでしょうか。

委員会に提出された条例案を熟考して賛成したのに、県会本会議採決にあげられなくていいのでしょうかね。

そもそも、この条例が言いたいことは、親は自分たちの責任と費用で家庭内で子どもをしっかり守り育てよ、片時も目を離さないで子どもたちを守ってあげよという教育勅語のような時代錯誤も甚だしいものです。しかも、もしそれを守っていない親を見つけたら通報してください、という密告社会や監視社会の構築をねらった全体主義へいざなうような一文も入っていました。

為政者なら、たとえお題目だけでもいいから「社会全体で子どもたちを守り育てよう」と言うのが常道なのですが、いったい何をしたくて政治家になったのかさっぱり分かりません。

埼玉のある首長は「我々市町村がどれだけ困るか分かっていない」と憤り条例改正案の取り下げを求め、別の首長も「対応が難しい条例。特に一人親家庭ではこの条例が守れない家庭も多いと思う」と話したそうです。

この首長たちは現実的なことを言っているにすぎないのですが、思いのほか世間が大騒ぎしだして、埼玉県議会自由民主党議員団の田村琢実団長が記者会見を開いて、あわてて条例案を撤回しました。

田村は《「私たちの言葉足らずだった」と反省を口にしながらも、改正案の中身自体については「瑕疵がなかったと思う」と主張。「私どもが考えていた方向性ではないところに世論が動いてしまったところがある」とした。》と述べました。日本会議統一教会に喜ばれようとした「方向性」が駆逐されてとても痛快で喜びを禁じえませんが、創価学会の皆さんはいかがお思いでしょうか。

日本の未来を脅かす少子化について無策なところに、国民の生活を無視した今回の条例案は、明石市などの子育て政治とは対極にあることが明らかで、それで埼玉県民が幸せになると思っているのでしょうか。次の選挙では、いままで選挙に行かなかった人たちが、自民や公明の議員以外の人たちに投票することになると思いますが、それでいいのだと思います。

大阪の無残な現状が、維新の会政治を表象しますが、維新をのさばらせると日本の未来は大阪のような悲惨なことになることを学習していただきたいと思うと同時に、今回の埼玉「留守番禁止条例案」騒動は、自民(+公明)の頭空っぽ政治の現状を表すものだとして全国民がしっかりと現認してほしいものです。