遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

将棋 西山朋佳女流三冠、佐々木大地を破り「次なるステップ」へ!

ようやく涼しくなってきた日本列島ですが、昨日から将棋の竜王戦七番勝負が始まりました。
藤井聡太竜王(21)vs伊藤匠七段(20)という顔合わせで、これはタイトル戦史上最年少の組み合わせカードによるビッグゲームとなりました。七番勝負は12月まで続きます。

本日は第1局2日目を迎えて、藤井竜王名人はさっそく羽織を脱いで盤上に集中していますが、彼は高性能の脳が高熱を苦手としているようで、いつも事前の対局場下見では室温の設定温度をいつも気にかけているようですし、対局にいつも持参のデジタル時計で時刻と室温をチェックしているようです。

そういった意味では、秋以降の涼しい気候は「藤井聡太仕様」と言えますし彼の好きな季節に入って来たのかもしれません。

ところで、将棋界の気になる動きで、10月4日女流棋士西山朋佳三冠(28)が朝日杯予選で佐々木大地七段(28)に勝利し二次予選に進出しました。朝日杯で女流棋士が二次予選に進むのは史上初だそうです。

西山が勝利した佐々木大地は、今夏のタイトル戦「棋聖戦」と「王位戦」で藤井七冠に挑戦した、棋士レーティング6位の強豪中の強豪。しかも佐々木は先番を持つとさらに力を発揮する棋士なのですが、西山は後手番ながら佐々木を破りました。

当日西山は、午前中に渡辺和史六段(29)に勝利していて「さすが~」と感心していたのですが、同じく午前中に勝利していた佐々木と午後対局すると知り、「あー西山はここまでか、対局組合せ運が悪いなー」と思いつつ、時々Youtubeのライブ放送を見ながら形勢を気にしていました。

そうしたら中盤以降に、佐々木が「あっ」というような手を指し、意表を突かれた佐々木が「ガックシ」する場面に遭遇し、結局そのまま西山が押し切った形で鮮やかに勝利しました。

 ネットでは「西山が金星」と騒がれていましたが、もともと彼女は奨励会三段リーグ藤井聡太と同時期昇進だった過去があり、世が世であれば女性棋士第1号の可能性があった棋士でした。

そのはじめての奨励会三段リーグで、藤井聡太は13勝5敗で一期抜けしましたが、その最終戦で西山朋佳に勝って四段昇段を決めました。

西山はそのリーグは10勝8敗でしたが、その後四段への昇段は叶わなくて女流棋士の道を選び、里見香奈四冠(31)とともに女流のトップ棋士になりました。
現在、白玲戦七番勝負で里見に挑戦中の西山は対戦成績を3勝1敗としていて、あと1勝で白玲を奪取するところまで来ています。もし西山が白玲に返り咲けば、西山里見ともに女流四冠となり名実ともに2トップの両女流棋士となります。

そして、西山朋佳にはもう一つ大きな希望へのステップが見えてきました。棋士編入試験の受験資格を得られる可能性が出てきました。

女流やアマ棋士が、プロ棋士との対局で10勝を上げた時点で勝率が6割5分を上回っていると、棋士編入資格を獲得できます。

現在西山は、女流を除くプロ棋士との直近の対戦成績が8勝3敗で、残り4局を2勝すれば条件をクリアしますので、大きな重圧をはねのけて、ぜひ編入試験に合格してほしいと願っています。

私の地元大阪出身の西山朋佳。このように、たおやかな強さの大阪人も地元にはワンサカ居ることも同時に伝えたいと思うきょうこの頃であります。