遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

上岡龍太郎さんの死を悼む

上岡龍太郎さんが亡くなられた 謹んでご冥福をお祈りいたします

漫画トリオ横山パンチとして認識したのがもう60年ほど前だったので、相当長い間上岡さんを見てきたことになります。

長女がまだ妻のお腹にいたころに、夫婦で「パペポTV(テレビ)」を見ていて二人とも可笑しくて笑いが止まらなくなったことがあります。その時は、妻のことが心配になるくらい笑った記憶がありますが、ことほどさように毎週「パペポ」を楽しんでいました。

上岡のツッコミと鶴瓶のボケのコンビネーションがことのほか絶妙で秀逸で、フリートークでリラックスした雰囲気なのに「漫才芸」を毎回披露してくれました。ボケとツッコミがしばしば入れ替わる二人の芸風も無双でありました。(基本、2人はツッコミ芸なのですが...)

社会性のある上岡トークも満載で、反「権力」的トークは非常に鋭くてわかりやすくて、現代ならYoutubeチャンネルのようなゆるくて自由で反権力的な空間が「パペポ」には漂っていました。

上岡竜太郎の父親は、共産党から衆議院選挙に立候補したこともある社会派の弁護士だったことは早い段階で知っていましたから、「パペポ」のみならずさまざまなシーンで彼が垣間見せる、弱者目線の持ち主で平和主義的姿勢であり、口先で人を惑わす非科学的なことを異常なほど嫌うことなどに、私は強く共感し賛同していました。

そういった意味で、いまの時代にこそ上岡龍太郎のような人物の存在が望まれると思っていました。

彼は権力のある立場につくことを嫌っていた人だということは承知の上で勝手な想像ですが、もし上岡龍太郎大阪府知事だったならなーと思うと、いまの大阪を見ていて残念ではあります。

彼は58歳ですべての仕事を辞めて引退されたので、芸能や政治や時事問題など様々なシーンで、上岡さんだったら「どう思ってるかな?どんな言葉で噛みつくかな?」と、ここ20年は時々思いをはせる程度のことになっていました。

ありがとうございました 合掌