遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

少子化問題が重くて深くて広範囲な日本特有の社会問題対策の糸口になります


岸田総理が今年の課題に掲げた「異次元の少子化対策」。

これ、ぜひ早くやってもらいたいけど、何をどうやるのかじっくり見てみるまでもなく浅はかなものだと思います。

結婚して子どもを産むことをあきらめる人たちが多い中、この重くて深くて広範囲な日本特有の社会問題は、いまから30年先を見据えて考えていかなければならないでしょう。年頭のあいさつで力説しても空回りも甚だしいことです。

防衛予算の考え方を翻して、お得意の閣議決定で少子対策予算に組み替えて異次元の少子化対策のスタートとするなら、「異次元」とう言葉を認めてもいいでしょうが土台無理なことはあきらかです。

東京都が18歳以下の子どもたちに、月5千円を支給することのようで、金のある自治体ばかりではないので子ども手当の全国展開をお願いしたいところです。

しかし、具体的なことは、どうやら統一地方選挙の後までお預けのようで、「自民党はやりまっせ!」と選挙で言っておいて、選挙が終われば「少子化対策、なにそれ?」と言われそうな予感がします。

少子化対策のために消費税を上げる(甘利)とか、いやそんなことはしない(世耕)とか、自民党内部で好き勝手言っていて、君たち総理総裁の決意を何だと思っているの?と自民党支持者さまがお悩みになられる頓馬なお方ばかり。こんなことが春先まで当分続いてお茶を濁されそうです。

そんななか、「非正規労働者ら対象の子育て給付創設」の設計図が出てきましたが、その原資が社会保険と来ました。

ああそんな禁じ手があったのかと思います。税金でも国債でもなく保険料から給付って、異次元ってこういうことなのかと頓珍漢な考え方に感心してしまいました。

そんならJRA寺銭(売り上げの25%)やガソリン税内閣官房機密費から給付型の奨学金を出しても誰も文句言わないのではないですか?それこそ異次元なのだ。

親が育てられなくなった子どもを同性婚カップルが育てるという選択肢は、世界ではよくあるケースですが、同性婚が認められない日本の法体系では無理です。また、結婚しないで子どもを産み育てることも、異国の子どもを養子に迎えることも日本ではハードルが高い暮らし方になっています。「夫婦の姓を選択」することさえ30年以上もかなわない国ですから詮無いこととはいえ、少子化対策には雇用や賃金の問題といった金だけでなく法的整備も必要となってきます。

統一教会に忖度して「家庭」という文字を織り込んだという噂の「こども家庭庁」が春に設置されますが、家父長制を強固なものにしていくお役所のような気がして「新しい戦前」の空気が見えてきます。

岸田首相が異次元の少子化対策と言ったその日、立憲民主党の泉代表は「乃木神社」に初詣したとうれしそうに写真付きでツイートしていました。情けなくて涙が出てきそうな野党第一党の代表ですが、立憲民主党こそ「異次元の少子化対策」を考えて提案していく時が来たことを自覚してもらいたいと思います。

ということで、繰り返しになりますが、少子化問題を解決する方向性が、重くて深くて広範囲な日本特有の社会問題対策の糸口になります

野党の皆様におかれましては、いろんな情報を収集して少子化をどうするか」当面それだけを考えれば他のいろいろな問題の気づきになるかと思いますので、大きな枠組みの中で少子化対策を発信していただいても良いかと存じます。よろしくお願いいたします。