遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」でリーマン・ショックを追認しました

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アダム・マッケイ監督のNetflixで観た「ドント・ルック・アップ」が面白かったので、同監督の2015年作品マネー・ショート 華麗なる大逆転Netflixで観ました。

これは、事実に基づく作品で登場人物も実在の人物で、2008年に破たんしたリーマン・ブラザーズ証券などが発行したサブプライムローン証券化した商品(CDO)の空売りを仕掛けた4人の男たちの物語です。

これは事実に基づくので、当然にサブプライムローンCDOは紙切れ同然になることは自明のことで、「リーマン・ショック」という悲劇は今なお尾を引いています。

その歴史的事実を内側から見たエピソードで組成された映画になっています。

サブプライムローンはバブリーで棄権だと察知し「空売り」を仕掛けて莫大な益を得た4人の男を、クリスチャン・ベールライアン・ゴズリングスティーヴ・カレルブラッド・ピットがこってりと演じます。

金融界のエリート然としているのはライアン・ゴズリングくらいで、のこりの3人はビーチサンダルで仕事をしたり、メンタルがやられていたり、髭面の異端児だったり個性豊かな男たちです。

彼ら4人は、それぞれ違ったフィールドでサブプライムローンCDOを将来買い取る約束の契約をするために「空売りの契約」をします。

ある商品を空売りして、その商品が値下がりすれば安く買取りができ、あたかも高く売ったような利益が出るのが空売りのメリットです。逆に、商品が値上りすれば、空売りをした側は損失をこうむります。

サブプライムローンというのは、個々の借り手がぜい弱で粗悪な住宅ローンで、本当にサブプライムローンがやばいローンなのか、つまりひとつひとつのローンの借り手の返済能力はあるのかどうかを見極めるために、主人公たちが実際の借り手を訪ねて実態把握をする場面もコミカルに描かれています。

「ドント・ルック・アップ」ほどわかりやすいエピソードではなく、とりわけ「ショート」の取引が一般的ではない日本では理解されにくい映画ではないかと思いますが、CDOCDSを事前学習(概念だけでいいと思います)してご覧になられたらすこぶるスリリングで楽しめる映画だと思います。

我々は間接的にはリーマンショックの被害者ですが、ついこの前の大きな歴史の転換点ですから、何があったのかを追認する意味でも興味深いと思います。

それにしても、いやはや投資銀行ヘッジファンド格付け会社というのは実にやばくて胡散臭くて近寄らないに越したことはないなあと素人は思うのでした。

マネー・ショート 華麗なる大逆転 The Big Short
監督    アダム・マッケイ
脚本    チャールズ・ランドルフ、アダム・マッケイ
原作    マイケル・ルイス 『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』(文藝春秋
出演者    
クリスチャン・ベール
スティーヴ・カレル
ライアン・ゴズリング
ブラッド・ピット
公開    
アメリカ 2015年12月11日
日本の旗 2016年3月4日
上映時間    130分
製作費    $28,000,000
興行収入    
世界 $133,440,870
アメリカ・カナダ $70,259,870
日本 5億8000万円

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