遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

矢部太郎の「ぼくのお父さん」でデトックス

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ぼくのお父さん  矢部太郎  (著)   新潮社

「大家さんと僕」「大家さんと僕 これから」に続く矢部太郎の「ぼくのお父さん」を読んだ。

芸人で漫画家の矢部太郎の父親は、絵本作家のやべみつのりだった。

太郎の家族は、両親と姉の4人家族。やさしくて少し変わり者のお父さんは、「大家さんと僕」の大家さんほどキャラは立っていないし、経済的な豊かさを家庭にもたらさなかったようだけど、太郎は父親の愛情をたっぷりと受け取れた子どもだった。

近所の子どもたちにも太郎と同じように接したところも、立派な父親なのだった。

矢部太郎M-1の決勝戦には遠かった芸人だったろうけど、父と暮らした太郎の眼は澄んでいて、毒もほとんどない。これは父親の影響があると本書を読んで確かめられる。

やべみつのりの絵本は読んだことはないが、太郎のような作家の作品になかなかお目にかからなくて、年に一度は矢部太郎で心が洗われる。デトックス効果がある。

 

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