昨日、王位戦の第5局で勝利し、王位戦のタイトルを防衛しました。
少し前の棋聖戦5番勝負で、挑戦者の渡辺名人・棋王・王将を3連勝で下しタイトルを防衛するとともに、史上最年少の九段に昇段しました。
そして、今回の王位戦7番勝負では1敗した後の4連勝で豊島竜王・叡王を退けた結果のタイトル防衛でした。
藤井聡太が保持する2つのタイトルを、結果的には危なげなく防衛しましたが、渡辺・豊島という最強の挑戦者たちでしたから、プレッシャーや事前準備や体調管理も含めて大変な防衛戦だったと思います。
防衛戦の途中で藤井二冠は19歳になりましたが、カメラを通しての泰然自若とした姿に感心するほかありません。
盤上に集中すれば、緊張することも気圧されることもないということなんでしょう。どんな職業人でもいい仕事ができる人は、結果を恐れず集中とか無心といった心構えができる人なのだと思います。
これで、藤井二冠の通算成績(公式戦)は、236勝45敗(勝率0.8398)となりました。
負け数の少なさが異次元なのですが、勝率8割4分というのは、野球チームの勝敗で例えると100試合消化した時点で84勝16敗、いわゆる「貯金が68」もあるということですからすごいことです。
ちなみに負け数45のうち、豊島竜王に負けた数が実に9つを数えます。
✖✖✖✖✖✖〇✖〇〇〇✖〇〇✖〇
二人の勝ち負けの経緯は↑のとおりで、対戦成績は藤井の7勝9敗。直近の10局は7勝3敗と挽回しています。
藤井二冠の現在進行形のタイトル戦は、宿敵豊島叡王に挑戦中の叡王戦で、22日には先番の豊島に完ぺきに負かされました。次の第5局の勝者が叡王となります。
さらに、藤井は竜王戦のタイトル挑戦者(永瀬王座と挑戦者決定戦3番勝負の最中)と、王将戦のタイトル挑戦者(7人による王将挑戦者決定リーグ入りが決まっている)になるべく、しばらくレベルの高い戦いが続いていきます。
コロナ感染対策や体調の維持が大変でしょうが、良い将棋で「観る将」ファンの私たちを楽しませてくれることを願っています。二冠の防衛おめでとう。