遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

東京五輪のベラルーシの陸上選手が羽田空港で強制帰国を拒否

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東京五輪で亡命騒ぎがあった。

ベラルーシ女子陸上のクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手が、代表チームの運営について公に不満を表明した後、コーチ陣によって羽田空港から強制帰国させられそうになった。クリスツィナは「ベラルーシには帰らない」と主張していて、オーストリアへ亡命の希望を出しているようだ。

ベラルーシでは1994年から続くアレクサンドル・ルカシェンコ政権が、反体制派を厳しく取り締まっていて、ツィマノウスカヤ選手がコーチの競技の運営について「ずさんだ」と主張したことについて、ベラルーシの国営放送は「チーム精神」が欠けていると非難していたようだ。

それに先立ち、ベラルーシの大統領は今回の五輪選手について批判をしていたようだ。

 さすがにこんなドヤ顔で五輪の成績についてイラついている大統領の顔は二度と見たくないと、私ならそんな気持ちになる。

しかもこの大統領は、不正選挙で長期政権を築いているそうだから、強制帰国させられた後のことを考えると何かいわんやである。

当の選手は、羽田でどういう行動に出て強制帰国の飛行機に乗ることを免れたのかことの詳細な成り行きはまだよく分からないが、空港警察が選手を保護しているようだ。また、空港にはロイター記者などがいて彼女の主張をTwitter動画で流したり、動向を取材していてそれをわれわれもツイッターで見ることができる。

何者かに連れ去られようとしている時に、東京の国際空港で取材記者やカメラマンに出会ったら、彼らがスマホやカメラで真実を伝えてくれるだろうという安心や希望が見えてくるからありがたいことだったろうと思う。

また日本の警官たちは手続きを誤りそうではあるものの、閉ざされた部屋に連れ込んで銃を突き付けて賄賂を請求したりはしないから身の安全ははかられそうだ。

この選手をベラルーシの大使館に引き渡したりすれば大きな国際問題になるのは必至で、外務省と警視庁は彼女の希望に沿った措置を講ずるべき。少しは国際的に恥ずかしくないところを見せてほしいところだ。

ということで、東京五輪を機会に日本の警察やジャーナリズムは国際的に成長してもらいたいと切に願うところである。