遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

横浜市長選出馬の田中康夫が面白い

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2021年の任期満了に伴う横浜市長選は8月8日に告示、22日に投開票が行われるが、立候補者(予定者)が乱立していて面白い選挙戦になりそうだ。

まず小此木八郎(56)が、横浜市長選に出馬するために閣僚を辞任した。

小此木家は横浜を地盤とする代議士一族で、小此木八郎で横浜を選挙区とする代議士の三代目となる。その小此木家で若くして秘書として仕えてきたのが菅義偉で、小此木八郎菅内閣に入っていたことからも判るが、菅は小此木家に寄生していたからこそ横浜市議から衆議院議員になれたと言っていいだろう。

しかし、小此木八郎は閣僚を辞任して来月の横浜市長選挙に出馬することにした。カジノを推進する菅に対抗する形で市長選に打って出る。小此木のバックには絶対にカジノ(IR)は作らせないとするハマのドン藤木幸夫が付くのだろう。

そしてカジノ推進派である菅一派は、林文子市長(75)を推しての選挙戦となる構えだ。あるいは、三原じゅん子(56)を担ぎ上げるかもしれないという情報もあって、盛夏の横浜にお化け屋敷が登場しそうな気配だ。

ようするに、自民党は小此木と林か三原に分かれて分裂選挙を繰り広げることになるようで、これは共倒れになってほしい良い傾向だ。カジノ推進派はおそらく勝てないと思うし、藤木グループの自民系カジノ推進反対候補者は市民派の「真のカジノ反対候補者」と競り合うことになりこれまた愉快な選挙になりそうで面白いのだ。

カジノ反対派候補者は、元横浜市立大教授の山中竹春(48)が立候補予定だが、立憲民主党江田憲司が勝手に動いているだけのような気もして、若いが知名度も花もない山中が当選するとは思えない。立憲民主が推薦してくれないかな~と思って立候補を迷っている郷原信郎(66)の方がいいと思うのだが、告示の8日までに新たな動きがあるかもしれない。

そして、横浜市長選の台風の目となるかもしれないのが田中康夫(65)で、このほど出馬表明会見を開いた。

田中康夫YouTubeの自身のチャンネル「ココだけの話」を毎週日曜日に配信していて、幅広く政治や社会問題を語っている。その配信は1時間を超える長さなので、私はウォーキングの時にイヤホンをしてよく聞いている。その「田中康夫 ココだけの話」は、右も左も滅多切りの痛快な配信で、作家という商売柄博識なのではあるが、加えて元長野県知事で元参議院議員だけのことはあって、国・地方に限らず行政について実に細かく奥深く知っていて、いろいろ面白い話が聞けるのだった。

そういうこともあって、私は田中の出馬表明の長い会見をYouTubeで見たが、安倍や麻生や菅の記者会見なら1分ともたない私が2時間以上の会見にどっぷり浸かってしまった。自分の言葉で語るカンペもシナリオもない充実したこれぞ記者会見といえるもので、横浜市民に向けてしっかりと発信していたのだった。

無能が国政を担って久しいが、首長をきちんと務めた人間は重厚さが違う。安倍も麻生も菅もあたま空っぽだということがこの田中の会見でよくわかる。

田中は元維新の会だったことを「黒歴史」として表明していたが、大阪維新で衰退していく大阪府有権者としては実にうらやましい立候補者である。

もともと長野県知事時代の田中康夫をたくましく面白く見ていたので、今回の立候補で俄然注目が集まるので(それでこそ台風の目なのだ)、この際日本の腐ったところについてすべてを語ってほしいと思うのである。落選しても、辛口の政治評論を続けてもらいたいものだ。

 

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