米国の新型コロナによる死亡者は、1日あたり2000～3000人に上る。
米国だけで、12月30日には3808人、1月5日には3664人が亡くなった。
新規感染者数は、1月5日には23.9万人を数え、新型コロナによる延べの死亡者は35.7万に至った。
想像を絶する数値だ。
しかし、さらに想像を絶する事件が米国で起きた。
大統領選挙に勝利したバイデン米次期大統領の当選を公式に認定するための連邦議会に、トランプ支持者たちが乱入し議会を占拠した。
議会警察による発砲で、なだれ込んできたトランプ支持者の女性が死亡した。
連邦議会の占拠と議会内で死者を出すという史上初の流血事件を引き起こしたのは、トランプと彼に扇動された暴徒によるものだった。
南北戦争時の南軍の旗を振りかざした暴徒が議会内を闊歩したのだから、映画シナリオでも却下されるような陳腐な行動だ。
トランプ支持者たちは、大統領選挙は陰謀によるイカサマだと信じて疑っていないのだ。トランプは「私が負けたらそれは陰謀による選挙なのだ」と、選挙前から言っていたのだが、そのバカげた扇動に酔いしれた支持者は、トランプから発せられるフェイクやデマを信じて疑っていないのだ。トランプを疑う能力がないのだ。彼らは、いまだにマスクを着けていないのだ。
トランプは敗北したとはいえ、今回の選挙でも多くの得票だった。選挙でトランプを支持した人たちのほぼすべては、選挙による民主的な政治選択を信じているだろうが、トランプ自身とほんの一部の不届きものによってこのような事件が引き起こされたのだ。
ドナルド・トランプをコピーしたような壊れた人間が、引き起こした暴挙であった。
事件後再会された議会は、バイデン大統領認定のための民主党と共和党の議員が次々と登壇して演説が続けられた。最後に登壇した共和党の議員は、バイデンとハリスを承認する力強い演説で新しい大統領の承認のための最後を締めくくった。
CNNはその一部始終を生中継していたが、多くの共和党議員はトランプの扇動による連邦議会占拠事件を受けて、大統領選挙の結果は認められない「異議申し立て」を急遽取り下げてトランプ支持の姿勢を放棄した。唾棄したと言ってもいいだろう。
2週間後には史上最低最悪の大統領に代わって新しい大統領が誕生する米国は、まずはコロナの鎮静化をはかる対策に全力を挙げてほしいものだ。その後に、国内の人道的な民主化と世界平和の維持と気候変動の歯止めに全力を尽くしてほしいと願う。日本の政権・政府は、バイデンとハリスの美しい政策に追随できるものならやってみるがよいが、君たちでは無理だろうがな。
