遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

沈みそうな日本を救うのは教育なのに...

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ツイッターのTLによく流れてくる算数のテスト問題の画像。最新は上の画像。

【問題】上の「4-3=1」の式になるお話を作りましょう。

はこのなかにあめが4個はいっています

3個食べると「はこのなか」は1こになりました。

これでは日本の学校では不正解で、「のこり」が正解なんだという。

この解答を書いた娘さんにお家で、「なんで間違ってるの?」と聞かれて親御さんは答えられなかったという。

将来、東大や京大に入学するには「のこり」と授業教わった通りの解答を書けなければいけないのでしょうが、普通の生活をするための教育なら「はこのなか」と書いても正解だ。

少し前に読んだこのブログでも紹介したブレイディ みかこの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 」は、著者の長男の学校でのお話が多くを占めていた。

英国の公立中学校と私立中学では学力や進路や学校生活などが、「多様」と「均質」なところが決定的に違う。ややこしくて混とんとしている公立学校と上品で平和で「お勉強の環境が整っている私立学校。それは英国での格差なのだろう。

しかし、英国の公立学校でも教育の質においては日本より充実していて、楽しそうな授業や学校行事がいっぱいある。「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 」を読んで感動した読者は、著者の長男の「たおやかな強さ」と、彼が入学したいと選択した公立中学校の自由さや多様さに、日本の教育現場と比べて感動したのではないだろうか。

筋書き通りの高校受験のための授業と、陰湿ないじめとそれを見てみぬふりをする生徒と教師。帝国憲法のような校則と軍所教練のような運動会や、勝つことだけが命題のクラブ活動。おおむねこのような性格の日本の教育現場で、人間教育ができるのだろうかという思いからの感動なのではないだろうか。

 英国で冒頭の画像の問題の回答に「はこのなか」と解答しても、そういう学生諸君をオックスフォードやケンブリッジ大学では歓迎してくれると思う。

 

日本の教育問題について象徴的な3つのツイート。

 しきな ゆかアメリカ国旗教育研究員 @shikinayuka
「日本市場への進出はおすすめしない」
オンライン学習の効果を上げるためのツール、海外に色々あるのに日本市場スルーされています。理由は2つ。
①学校のITインフラが驚くべきほどに整備されてない
②学校にツール選定権限がない
日本の子供にとって大損失だと思う。カンファレンスで戦慄した。

鴻上尚史 @KOKAMIShoji
学校は「世間」が強烈に残っている組織で、「世間」は「所与性」と呼ばれる「今までのことを続ける」ということが本質です。同じく「世間」が強く残っていた大企業はビジネス原則によって倒産・合併・買収に晒されますが、学校は外圧がない限り、「世間」に安住してなかなか変われないのです。

枝野幸男 りっけん 立憲民主党 @edanoyukio0531
学費を払えず生活費にも困っている当事者の学生さんから、「政治に私たちは見えていますか?」と問いかけられました。その問いは、今も重く私の胸にのしかかっています。与党も野党も関係ない。政治家は、いったいどこを見て政治をやっているんだ、と。

日本は腐りかけてきて久しいが、そこから復興するには人材育成しかないと思われる。しかしながら、教育現場は圧政と予算不足と人員不足で野戦病院のように惨憺たる状況のようだ。早朝出勤で、泣きながらトイレ掃除をしている先生の「私何してるんだ?」というツイートを読んだことがあるが、アベノマスクやGoToキャンペーンの金を学校の維持管理設備費に回せと思う。

天下の東大は、学校債を起債して自ら資金を調達しだした。当面200億の調達だという。立派な東大OBたちによる寄付でもすぐに賄えそうな金額だが、見返りのない教育現場に政権は金を出さないことと決まってきた(加計だけ別腹)。

教育と関係があって実は無関係な「受験」は、儲け主義の教育関連企業(ベネッセやパソナ)の草刈り場となって久しい。最も腐らせてはならない「教育」復興について、立憲民主党の枝野新代表や共産党の志位委員長や文科省前川喜平事務次官や立派な教育者OBなどの尽力を賜りたいところだ。