遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

4月の歩行総距離は過去最高でオオバンにも会えました

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水彩画のような上の画像は、昨日散歩中にスマホで撮ったものです。

遥か彼方まで低い山が連なっていて、なかなか素敵な風景です。写真を見ながら一度絵に描いたことがありますが、これだけ建物があると位置関係のつじつまが合わなくなってきて破綻してしまいます。

上の風景の百倍くらいのスケールの絵を描いている少年の動画を見たことがありますが、サヴァン症候群の人の中には、目と脳が写真のような機能があって、瞬時に視界全体を把握できて、見てきた風景をアトリエで寸分の狂いなく描ける才能を持ち合わせています。

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こちらの写真は別の日に撮った川辺のもので、仲良く泳いでいるのはオオバン(つがいかな?)です。

かつてオオバン北日本で繁殖し越冬のために西日本に下って来たのですが、90年代以降は西日本で繁殖と越冬をするようになったそうです。琵琶湖では個体数がかなり増えたようで、大阪でも同じ現象なんだそうです。私は4月に初めてオオバンを認識しました。

ということで、4月は寒い日が続いたおかげでウォーキングの距離が伸び、月間歩行総距離は168㎞(1日平均5.6㎞)で、小の月だったにも拘らず過去最高を記録しました。

マスクを着けて歩いているので、きっと心肺機能もアップしていると思います。充実感。

 

憲法記念日、徴兵制度、「シカゴ7裁判」

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今年のアカデミー賞候補にもなった「シカゴ7裁判」をNETFLIXで観た。

シカゴ7裁判Netflix
上映時間:130分
監督:アーロン・ソーキン
キャスト:サシャ・バロン・コーエンエディ・レッドメイン、ジョセフ・ゴードン=レヴィットほか
 劇作家、脚本家、プロデューサーで監督でもある才人、アーロン・ソーキン。人気テレビドラマ「ザ・ホワイトハウス」(1999~2000)や『ソーシャル・ネットワーク』(2010)、舞台「アラバマ物語」 などで知られるソーキンが脚本と監督を手掛けて、シカゴ・セブンと呼ばれた実在の7名の被告人の裁判の顛末を映画化した。

 1968年8月。米国大統領選挙を控え、イリノイ州シカゴで開かれた民主党の全国大会に合わせて、全国から反ベトナム戦争の若者たちが集結。集会やデモを繰り広げていたが、デモ隊と警察が衝突して争乱となり、数百名の負傷者を出す惨事となった。共和党ニクソン政権が誕生した約5か月後の1969年。デモに参加した各反戦グループのリーダー格8名(うち1名は告訴が取り下げられる)が、暴動を煽動した共謀罪などの罪に問われて法廷に立つことに。

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1968年、当時の私は中学生だったがこういう裁判があったことを今まで知らなかった。

ドラマのような実話で、法廷内の緊迫感がドラマチックだった。アメリカの保守の代表のような裁判長に虫唾が走るが、演じた俳優は名演技であった。

シカゴ7と呼ばれる若者たちは、国家権力に「はめられ」て「検挙された」形での裁判だったのだが、いまの沖縄の辺野古の闘争を思い浮かべた型も少なくないと思う。辺野古での抗議団体に「土人」と叫んでいたアホな大阪府警の警官がいたが、ネトウヨが制服着ているようだった。

1968年当時のアメリカは「徴兵制度」の真っただ中で、18歳6カ月から26歳までの男は2年間の兵役義務があった。

昨日まで学生だったのに、明日から武器を持ってベトコンと戦わなければならないのだったら、反戦平和のデモをしても不思議ではない。

あの頃は日本の全共闘も威勢の良い時代だったが(彼らはいま何をしているのだろう、まだお元気なはずだが)、私たちは平和憲法のおかげで戦争に行くことはなかった。

ただし、憲法改正による徴兵制度が復活しないともかぎらないので、「シカゴ7裁判」を観て、今日5月3日の憲法記念日くらいは、先人が守ってきてくれたありがたい憲法をこれからも変わりなく大切していきたいなと思ってもばちは当たらないと思う。

 自分が戦場に行かなくても、息子や孫や娘婿や、あるいは娘や孫娘だって戦場に駆り出されることになることくらい誰だって想像できるだろうに、いったん改憲のタガが緩むとそういうことになることを想像願いたいものだ。

いい映画だった。

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今週 書評で取り上げられた本(4/26~5/2 週刊10誌&朝日新聞)全77冊

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毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。

上の画像左レンブラントの身震い」は、今週2誌で取り上げられた新潮クレスト・ブックスのノンフィクションです。

新潮クレストブックと聞いていつも必ず思い出すのが、イーユン・リーの小説「千年の祈り」(2007年)です。いまも私の本棚に存在している書籍です。著者は中国からアメリカに移住した科学者だったのですが、彼女はなぜか英文で「千年の祈り」という素晴らしい小説を発表する小説家に身を転じたのでした。

その、クレスト・ブックスを創刊したのが新潮社の編集者で松家仁之(まさし)という人物だったようで、今週の書評欄で朝日新聞と3誌が取り上げている小説「泡」の著者その人なのでした。今回この記事を書いていて、松家仁之のことを知りました。小説「泡」、読んでみようと思っています。

そして、画像右「どの口が愛を語るんだ」の著者東山彰良(あきら)は、台湾生まれの台湾国籍の作家で、日本で育ち日本語で小説を書いています。彼の代表作で直木賞を受賞した「流(りゅう)」(2015年)を読みましたが、中国大陸のような広大なスケール感のあるハードボイルド小説で、著者の血のルーツを感じられるものでした。中国大陸の物語を書いた「千年の祈り」イーユン・リーと同じような血が流れているのでしょうか。

今週の書評本媒体タイトル・著者・出版社・税込価格)

朝日新聞:4月24日 27冊
尾崎行雄 民主政治読本 尾崎行雄, 石田尊昭(編) 世論時報社 1,466
道化の文学 ルネサンスの栄光 高橋康也 中公新書 (品切れ)
守柔 現代の護民官を志して 守屋克彦ほか 日本評論社 1,540
絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている 左巻健男 ダイヤモンド社 1,870
仮面の陰に あるいは女の力 ルイザ・メイ・オルコット 幻戯書房 2,970
現代語訳 流行性感冒 一九一八年インフルエンザ・パンデミックの記録 内務省衛生局 (編集) 平凡社 3,850
語り芸パースペクティブ かたる・はなす・よむ・うなる 玉川奈々福 晶文社 2,970
灰の劇場 恩田陸 河出書房新社 1,870
二重のまち/交代地のうた 瀬尾夏美 書肆侃侃房 1,980
ブラック・ライヴズ・マター回想録 テロリストと呼ばれて パトリース・カーン=カラーズ, アーシャ・バンデリほか 青土社 2,860
どの口が愛を語るんだ 東山彰良 講談社 1,705
文部科学省 揺らぐ日本の教育と学術 青木栄一 中公新書 990
ブロックチェーンゲームの始め方・遊び方・稼ぎ方 廃猫(@hainekolab) 技術評論社 1,958
もう一つの衣服、ホームウエア 家で着るアパレル史 武田尚子 みすず書房 2,970
軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い 松本創 新潮文庫 825
飼い喰い 三匹の豚とわたし 内澤旬子 角川文庫 880
眼の冒険 デザインの道具箱 松田行正 ちくま文庫 1,650
松家仁之 集英社 1,650
仲條 NAKAJO 仲條正義, 服部一成 (編集)ほか ADP 9,350
人間主義的経営 ブルネロ・クチネリ クロスメディア・パブリッシング 1,848
ネコロポリス計画定例集会 深川直美 ホーム社 858
1970年代のプログレ 5大バンドの素晴らしき世界 馬庭教二 ワニブックスPLUS新書 990
マスターズ ゴルフ「夢の祭典」に人はなぜ感動するのか 本條強 ちくま新書 968
東京 パンデミック 写真がとらえた都市盛衰 山岸剛 早稲田新書 990
まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか 木下斉 SB新書 990
ドレミファソラシは虹の七色? 知られざる「共感覚」の世界 伊藤浩介 光文社新書 924
三人姉妹 チェーホフ 光文社古典新訳文庫 858

週刊ポスト:5/7,5/14号 10冊
ない本、あります。 能登崇 大和書房 1,650
道連れ彦輔 居直り道中 逢坂剛 毎日新聞出版 2,200
いつか出会った郷土の味 夢枕獏 三栄書房 1,760
白鳥とコウモリ 東野圭吾 幻冬舎 2,200
松家仁之 集英社 1,650
石橋湛山の65日 保阪正康 東洋経済新報社 1,960
彼女は頭が悪いから 姫野カオルコ 文春文庫 957
甘美なる誘拐 平居紀一 宝島社文庫 880
プロ野球チームの社員 髙木大成 ワニブックスPLUS新書 913
ダイオウイカvs.マッコウクジラ 図説・深海の怪物たち 北村雄一 ちくま新書 902

週刊現代:5/1、5/8号 10冊
白鳥とコウモリ 東野圭吾 幻冬舎 2,200
初詣で 照降町四季(一) 佐伯泰英 文藝春秋 2,420
泳ぐ者 青山文平 新潮社 1,760
ウンチ化石学入門 泉賢太郎 インターナショナル新書 880
警視庁科学捜査官 難事件に科学で挑んだ男の極秘ファイル 服藤恵三 文藝春秋 1,870
殺人者の手記 (上・下) ホーカン・ネッセル 創元推理文庫 各1,144
レンブラントの身震い マーカス デュ・ソートイ 新潮社 2,750
平家物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 角川書店(編集) 角川ソフィア文庫 792
太平記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 武田友宏 (編集) 角川ソフィア文庫 1,100
現代語訳 三河物語 大久保彦左衛門 ちくま学芸文庫 1,320

週刊新潮:(読書特集で書評なし)

女性セブン:(今週は休刊)

週刊文春:(読書特集で書評なし)

女性自身:5/11,5/18号 5冊
松家仁之 集英社 1,650
処女の道程 酒井順子 新潮社 1,650
どの口が愛を語るんだ 東山彰良 講談社 1,705
もしも、私が「がん」になったら。 81歳、現役医師の準備と決意 藤田紘一郎 光文社新書 924
大塚女子アパートメント物語 オールドミスの館にようこそ 川口明子 教育史料出版会 1,870

サンデー毎日:5/9,5/16号 12冊
令和元年のテロリズム 磯部涼 新潮社 1,870
DXの思考法 日本経済復活への最強戦略 西山圭太, 冨山和彦・解説 文藝春秋 1,650
おいしいもので できている 稲田俊輔 リトル・モア 1,760
音読教室 堀威美香 カンゼン 1,540
松家仁之 集英社 1,650
千ベロの聖地「立石」物語 もつ焼きと下町ハイボール 谷口榮 新泉社 2,200
薈庭楽話(わいていがくわ) 徳川頼貞 中央公論新社 3,300
禅の思想 鈴木大拙 岩波文庫 1,067
ドイツの自然療法 水治療・断食・サナトリウム 森貴史 平凡社新書 990
おじさんはどう生きるか 松任谷正隆 中央公論新社 1,650
NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX リード・ヘイスティングス, エリン・メイヤー 日本経済新聞出版 2420
ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門 原野守弘 クロスメディア・パブリッシング 1,738

週刊朝日:5/7,5/14号 6冊
激震 西村健 講談社 2,090
風巻(しまき) 伊豆春嵐譜 鳴神響一 早川書房 2,640
大図鑑 コードの秘密 世界に隠されたメッセージを読み解く ポール・ルンダ 明石書店 4,180
空想居酒屋 島田雅彦 NHK出版新書 1,045
ギフトエコノミー 買わない暮らしのつくり方 リーズル・クラーク, レベッカ・ロックフェラー 青土社 1,980
日本が壊れる前に 「貧困」の現場から見えるネオリベの構造 中村淳彦, 藤井達夫 亜紀書房 1,540

週刊エコノミスト:5/4.,5/11号 7冊
民主主義のための社会保障 香取照幸 東洋経済新報社 1,980
ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ 近藤大介 講談社現代新書 990
フィッシュ! アップデート版 鮮度100% ぴちぴちオフィスのつくり方ティーヴン・C・ランディンほか 早川書房 1,980
BAD BLOOD シリコンバレー最大の捏造スキャンダル全真相 ジョン・キャリールー 集英社 1,900
不自由な足が世界を広げてくれた スワニーバッグ誕生物語 三好鋭郎 あさ出版 1,540
新幹線100系物語 福原俊一 ちくま新書 946
レンブラントの身震い マーカス デュ・ソートイ 新潮社 2,750

週刊東洋経済:(読書特集で書評なし)