遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

出入国管理法改正案は新手の奴隷法である

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また政府のウソ答弁がバレた。

《衆参法務委員会の野党委員が3日、失踪した外国人技能実習生2870人に対する昨年の法務省調査の元資料である聴取票を分析した結果、67・6%の1939人が最低賃金割れだったと発表した。》

外国人実習生7割、最低賃金下回る 国の調査を野党分析

アンケート回答のうち「最賃以下」だったとする技能実習生の数を、政府・法務省は「22人」としていたが、実際は「1939人」だったという。

これ、母数が2870人なので、67.6%が最賃以下だったのだ。

この技能実習生から回収した法務省調査の個別票は、「コピーや写真撮影をしないなら、国会議員だけに見せてやる、秘書はダメ」という条件を泣く泣く飲んだ弱者集団の野党議員は、手分けして手書きですべて書き写したのち分析をしたのだった。

その書き写しをしていた時の、国会議員森ゆう子(自由党)と尾辻かな子立憲民主党)のツイッターが以下のとおり。(上の画像は、書き写し作業中の国会議員)

参議院議員森ゆうこ @moriyukogiin
失踪した技能実習生に対する入管による聞き取り「調査票」、本日だけ全ての参議院議員に閲覧が許可された。
しかし、コピー機でコピーするのは禁止。
国会議員が手書きで写す。
写経をしている心境。
バカにするな!

尾辻かな子 @otsujikanako
今日は失踪技能実習生の聴取票の書き写し。なぜか今日は各党5人まで書き写しが可能になった。1時間で10数枚。2870人分の書き写しが終わるのはいつになるのか。国会の附帯決議によって実施された調査がなぜ複写不可なのか。そんな間にも審議が進められている。こんな状態で明日の採決など認められない。

政府が言うように「最賃以下だった」にチェック印をつけた実習生は22人だったが、実際の給与から野党が分析すれば、最賃以下は1939人だったというわけだ。

最低賃金」の概念もわからない実習生に「最低賃金以上だった?以下だった?」と訊いても正答できないことが、賢い役人たちにはわからないようだ。もしくは、最賃以下だと何か問題があるということくらいはわかっていて、分析もしないで、改ざん答弁をしていたんだ。

また、《「過労死ライン」とされる月80時間以上の時間外労働をしていた実習生が全体の1割、292人いた。失踪の理由は、指導が厳しい(181人)、暴力(139人)、強制帰国(81人)など。セクハラ(4人)、妊娠(1人)もあった。》

この実態は、アメリ南北戦争以前の南部の綿花畑の奴隷と同じじゃないだろうか。
21世紀の美しい国に来た実習生が、暴力を受けセクハラを受け、妊娠までさせられている。

実態を隠し、改ざん答弁を積み重ね、細かいことはこれから考えるとした空っぽの出入国管理法改正案を、わずか18時間の審議で衆議院強行採決で通過させた暴挙は看過できない。

これは、東南アジアから安い奴隷を買ってくる法案だと言っても良い。これの黒幕は財界かもしれないが、そう多くはないと思う。

「いくらなんでもこの改正は無理がある!」と、政財界からの救世主が現れるのを期待する今日この頃である。