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あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

省庁の障害者雇用の水増しは昭和30年代から

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省庁の障害者雇用の水増しについて、調査している政府の検証委員会がまとめた報告書についてNHKがニュースにしています。

障害者雇用 水増しが多かった省庁は? 報告書の内容詳細

省庁別の水増し人数は
国税庁が最も多く1103人
▽次いで国土交通省が629人
法務省が512人
防衛省が332人
農林水産省が219人
財務省が184人などとなっています。

このなかには、精神疾患を身体的障害者としたり、死亡したり退職した人を含めたり、職員でもない人を計上するという呆れた改ざん例もあるようです。

また、総務省環境省特許庁、それに農林水産省では、眼鏡などで矯正した視力ではなく裸眼の視力を基に視覚障害者だとして計上していました。
この4つの省庁では水増しされた障害者の7割以上が視覚障害でした。》って、矯正視力の人だらけの省庁で、当事者たちの知らないところで障害者としてカウントされていたわけでもないようですから、政府まる抱えでデータを改ざんしていたことになります。

それも、昭和30年代から水増ししていたようですから、これはもうひとつの「55年体制」です。民間は、障害者雇用についてそれなりに努力して、定員に満たない場合は正直にペナルティ(過料)を支払っていたわですから、二重の意味でごまかし体制が続いていたことになります。

民間が何か不祥事を起こすと「業務停止命令」を発令したり、いい加減なことをしていると「業務停止命令」を発令するよと言わんばかりの規制をかけてくるお上ですが、自分たちにはずいぶん甘い体質に民間は萎えますわ。

モリカケ問題でのさまざまな資料やデータの改ざんが発覚しましたが、障害者の水増しカウントは各省庁ほぼ同じ手法で改ざんしています。政府の隠し事や改ざんは今に始まったことではないようですし、どこかの省庁に集中しているわけでもないようです。

民間で、最近表ざたになっているデータの改ざんや不祥事やリコールなどは、それを規制し監視する省庁のずさんさを反映しているようにもみえます。普通はこういう役人をけん制するのは政治的な力学なのでしょうが、政権がアレではなんとも期待すらできない状況です。

嘘つき体質が染みついた「55年体制」は、100年経っても瓦解しないような気がして、いやはやたいへんな美し国日本であります。