
私の60年を超える人生で、最も恐ろしい体験が1961年の第2室戸台風でした。
その風たるや強烈で、まだ小学校の低学年だった私には、地獄にいるような思いでした。
発生期間
1961年9月8日 9:00 - 9月18日 3:00
最低気圧 888 hPa
最大風速(日気象庁解析)75 m/s
死傷者数
死者194名
行方不明者8名
負傷者4,972名
この台風で亡くなられた方は194名で、行方不明が8名でした。
第2室戸台風は、その2年前に死者 4,697名、行方不明者 401名の激甚災害をもたらした伊勢湾台風に学んだところも多かったのかもしれません。当時の行政は伊勢湾台風の被害を二度と起こさないように、事前に懸命にさまざまな防災手段を講じたのかもしれません。
ところが、高度な情報社会の真っただ中にいる日本において、今回の災害はもう少し被害を食い止めることはできなかったのでしょうか。
自民党が赤坂でどんちゃん騒ぎをしている頃、気象庁は危険を呼び掛ける記者会見を開いています。しかし、気象庁のアナウンスはそこまでで、その危険度を察知して増幅させて広く国民に知らせたり、事前に対策を取ろうとしている自治体へのサポート体制を確立するのは、政治ではないでしょうか。
それなのに、安倍政権はどんちゃん騒ぎをして初動が遅れたと非難を受けています。空白の66時間だと、強烈な批判を受けています。共同歩調をとるはずだったメディアからは当然に批判はなく、野党や海外のメディアや真っ当な神経の国民から批判されています。
その批判が別の効果をもたらしたのか、水道の民営化法案は一旦延期になったようです。そりゃそうでしょ、今回のような災害があれば、民間に委託した水道管はいつまでたっても復旧しないでしょうし、ひとたび復旧すれば水道料金は倍以上に跳ね上がっていることでしょうから。インフラを維持するということは、コストを覚悟して国民の命を守ることですから。そのために我々は税金を支払っているのですから。
それにしても、もし福島原発事故の時に、炉心に民主党政権が海水を注入しなかったら、今頃東北や関東地域はどうなっていたでしょうか。今の政権が支持を受け続けているのは、奇跡か、あるいは、何か仕組まれているのではないかと勘繰りたくなる今日この頃であります。