遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「日本出身」力士の優勝

イメージ 1

おめでとう本谷さん
「幸福にならなきゃと思っている人は、ずいぶん肩の荷が下りると思います」と、ショーペン・ハウアーの「幸福について」を紹介してくれた本谷有希子。 

大江健三郎賞三島由紀夫賞ときて芥川龍之介賞まで受賞してしまった。ご本人のみならず、色違いの靴下もチャーミングで、めでたしめでたし。

「日本出身」力士の優勝
大相撲の初場所琴奨菊の優勝で幕を閉じた。いつもカド番にいる大関だというイメージしかなかった大関が、今場所はまっしぐらの相撲が素晴らしかった。
ところで、「日本出身力士」の10年ぶりの優勝とマスコミは紹介するが、2012年にモンゴルから帰化した旭天鵬が優勝しているから、そのような表現になったという。

どこの出身でもいいじゃないのという気がする。テニスのウィンブルドンで英国生まれが優勝した、なんて騒がないけどね。大相撲も多国籍スポーツになったと胸を張ればいいのだ。

古市が「ハーフ(混血)は劣化が早い」と言って炎上したようだが、野球(王、衣笠、ダルビッシュ)、陸上(室伏、サニブラウン)をはじめ、日本人と外国人の血が混じった選手は、さまざまなスポーツシーンで活躍することが多くて、しかも劣化するのが遅くて仕事ができるいい選手でもある。

今後、世界で通用する選手は、日本人の我慢強さと器用さと外国人の体力とパワーを持ち合わせた選手なのかもしれない。日本出身の純潔選手を崇めるのは了見が狭いし、そもそも大陸から渡ってきたであろう我らの先祖に思いをはせると、「純潔」な人間がいるのだろうかと思わずにはいられない。

なんだか最近白鵬の様子がおかしいのは、「日本の一部のレイシズム」への反旗なのかもしれない。

日本人は西洋のレイシズム(これもすべての西洋人に当てはまるわけではない)の矛先に位置しているのに、他国の人を蔑視してどうするのという感性を持ちたい。(だから蔑視するのだという向きもあろうが、それも狭い了見だ。)

それはともかく、「琴奨菊、ケガを克服してよくやった」と褒め讃えれば、それでいいのだ。めでたしめでたし。