遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

祝50歳/新幹線

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戦艦大和青函トンネル、伊勢湾干拓などと並んで、昭和の三大バカ(三大無用の長物)のひとつに入りそうだった新幹線。50年前の1964年10月1日に東京ー新大阪間で開業した。私は小学5年生だった。その9日後には東京オリンピックが始まり、すでに首都高や名神高速道路も開通していて、日本の近代化の幕開けでもあった。

新幹線はまさに夢の超特急で、中学校の修学旅行(箱根・東京方面)時には、新幹線には乗せてもらえなかった。高校の修学旅行時(長崎・熊本・大分)には、まだ山陽新幹線は開業していなかった。もうあの窮屈で退屈な修学旅行列車には二度と乗りたくない。
しかし新幹線の快適性は別格。大阪から東京への移動なら、100%新幹線を使う。安全で確実な移動手段として新幹線の右に出る者はない。なので、昭和三大バカに入ることもなく、なくなれば困る方の象徴的存在になった。

今日から朝日新聞には、夏目漱石の「三四郎」が106年ぶりに掲載されているが、小説は三四郎が熊本から上京する汽車の中のシーンから始まる。当時、新橋ー神戸間の特急列車の所要時間が17時間だったそうだから、熊本から東京への列車の旅は、まる二日ほどかかったのではないだろうか。まさに小説の舞台に相応しい、何かが起きる所要時間である。

いま、整備新幹線事業は全線開通をめざしてまだ道半ばの現在進行形。平成の三大バカ事業にならないためには、新幹線に乗って人やカネの流れが東京から地方に向かうべきだと思うのだが、長らく逆流し続けたままになっている。「地方の時代」と言われて久しいし、アベノミクスが具体性を持つには新幹線を整備するのと同期をとった地方活性化の政策がのぞまれる。新幹線を敷くことが目的となっていることが、情けない国策なのである。

外国人、新幹線の速さにびっくり大興奮!

上記映像は新幹線の姫路駅を通過する新幹線。すべての新幹線が停車するわけではない姫路駅では、時速300㎞で新幹線が通過する。
「ひかり?」「のぞみよ、のぞみ!」その迫力に大興奮する人を見るのは愉しい。
わが国自慢の新幹線、姫路城見物と合わせて楽しまれたい。