遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

白い建物/松本竣介

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絵の具の三原色は、赤と青と黄色なのですが、この3つの色が私は好きです。
赤い絵や黄色い絵や青い絵が好きです。
 
今日のご紹介は、松本竣介の「白い建物」。
昭和16年から17年頃の作品であります。
この白い建物は、国鉄水道橋駅の駅舎のようですが、
私にはこの作品の青い空がとても印象的で、大好物の青い絵のカテゴリーに入る作品です。
 
松本竣介は、戦時中に東京や横浜の建物を精力的に作品に仕立てていきましたが、
このようなクールな芸術活動が、抵抗画家と言われる由縁だったのかもしれません。
 
松本は建物のフォルムを線で表現していて、その表現が斬新でユニークです。
この線描と建物のざらっとしたタッチの質感と、青い空の色使いが、
天才の筆使いによる調合の真骨頂であります。私にはため息が出ます。
 
この後、東京は大空襲の戦火で焼け野原と化しますが、松本の作品に美しい東京が残りました。
宮城県美術館所蔵の作品であります。