「湖沼水質保全特別措置法」の第1条は、
「湖沼の水質の保全を図るため、必要な規制を行う等の特別の措置を講じ、
国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的としている」とある。
当然のことながら、琵琶湖も指定されている。
琵琶湖には実に460を越える川が流れ込んでいる。
しかし、京都に流れる人工的に作られた疎水をのぞけば、
そしてこの琵琶湖から流れ出ている川の水を、下流の多くの住民が飲料水として利用している。
琵琶湖は近畿の水がめと言われる所以である。
滋賀県では、琵琶湖の水質を維持するために、30年以上も前から女性団体・主婦を中心に
「石けん運動」が展開され、合成洗剤を使わずに粉石けんを使う運動が県内に広がった。
私はかつて、環境生活協同組合の女性理事長の講演を聴いた経験もある。
ことほどさように、女性が環境についてしっかり考えているお土地柄である。
「湖沼水質保全特別措置法」に話を戻すと、この法律が策定された経緯は、
「湖沼は、水域が閉鎖的であるため、水質汚濁がおこりやすく、
水質汚濁が起こってしまうと、元の状態に戻りにくい性質を持っている。
なので、湖沼水質保全特別措置法を制定し、
総合的かつ計画的な水質保全施策の推進を図ることとなった。」とある。
一番近い美浜原発は、琵琶湖からわずか13kmの距離に位置するという。
大飯原発を再稼動するのは、地元の声を優先とするとの政府見解。
地元とはどこのことを言うのか、大飯町か?福井県か?
「近畿も地元だ!!」と大きな声で言ってくれる。
越直美大津市長も信用できそうだ。京都や大阪の男知事は甚だ信用ならない。
近畿の命運は、嘉田知事・越市長を筆頭に、地元の女性たちのパワーにかかっているかもしれない。
福井の原発にもしものことがあれば、460を越す川や大気が、
とてつもない量の放射性物質を琵琶湖に運ぶだろう。
その水を飲み水として利用する人は1400万人におよぶ。
私のその中のひとりである、私も福井原発の「地元」に相当するのである。
細野環境相が大きくなったのも、滋賀であるが、
地元を売りそうで、心配である。