室生寺、仁王門をくぐり雪の石段越しに見上げるは静かなる金堂。
この金堂自体が国宝であり、さらにこのお堂に国宝や重文の仏像がおわす。
この石段は「鎧坂(よろいざか)」と呼ばれていて、
作品のタイトルは「室生寺雪の鎧坂金堂見上げ」、
写っているものそのままのタイトルである。
土門は、戦前から室生寺を撮り続けて、
この作品は70歳を前にした時期のカラーフィルムでの1枚。
室生寺のたたずまいが素晴らしいのか、
それを捉えた写真家がすごいのか、
余計なキャプション無用の、国宝級写真である。